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京論壇―東京大学と北京大学の熱き討論会、まずは北京で前半戦終了

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東京大学と北京大学の学生有志各12名ずつ、 それを全面的にサポートするスタッフ各8名、全体をマネージするオーガナイザー3名 が、北京と東京を行き来して討論を行う「京論壇」。第1弾の北京セクションが、8月27日~9月2日まで北京大学を会場に行われた。第2弾の東京セクションは9月25日から10月1日まで、東京大学で行われる。

京論壇サイト:http://jingforum.org/jp/index.html

2005年に反日デモが発生した時、日中の学生たちの認識にある大きな違いを改めて感じた学生達。これを契機に「日中の学生達が直接語り合うことが大切」と、このフォーラムを立ち上げた。学生達が自ら企画、スポンサー集めまでを行い、2006年9月に第1回が開催された。

討論は、お互いの共通言語として英語を使用。テーマを「安全保障」「環境」「経済」「歴史」の四つに分け、各分野3名ずつが対峙し語り合うことで、認識の違いを克服し未来のために何をすればよいのかを見出す、という。

昨年は「日中」を主体とするメディア『中国日企』の記者として、今年は「環境ライフ」を主体とする『ソトコト』の記者として、2年続けてメディア発表会に参加した私(日方メディアは今回私一人、てことは日本語では独占スクープ!)。

1年前はまだ始まったばかり(かつ、総まとめとなる東京セクションが始まる前)だったので、学生達から聞いた意見も「日中学生に認識の『違い』があることがわかった。で、その『違い』をどのように克服すればいいのかを話し合ったが『解決は難しい』という結論に達した」的な・・・模索状態であるコメントを聞いてしまったが、今年はそのときの反省とステップを踏んで、階段を一段上がったような印象があった。

まず、私の取材対象は「環境」。そこで、「環境」分科会のスタッフ・Nさんに話を伺った。
Nさんは東京大学工学部。環境エネルギーを専門としているだけに、環境問題に興味と知識が深い。

「昨年参加したメンバーから、昨年は環境問題の取り組みや対策などをテーマに話し合ったため、結論が曖昧なままに終わってしまったという反省を伺いました。そこで今年は『環境意識の醸成』を主なテーマとし、人々に環境意識を高めてもらうには、どんなアクションを起こすべきなのか、をフィールドワークなどと通じて話し合いました」

討論は、まずフィールドワーク(街角で実際に企業・学校・活動団体などを見学すること)を通じて見た・感じたものを題材に行われる。彼らはこの流れを通してどんなことを見出したのだろうか。

「中日友好環境保全センターで出会った環境ジャーナリストの方の『中国は、環境ジャーナリズムが充実していない。例えば、環境意識を啓蒙するCMを流すことなどが必要』という意見が印象に残りました。私たちも、この京論壇を通じてメディアに通じているので、何かを伝えられればと思う」
確かに、中国のメディアは年々資本主義国のメディアに近づいているものの、まだ政府による規制は大きい。環境問題などは特に深刻な部分なので自由に報道できているとは言いがたい。有力な専門家から、早めの開放へアクションを起こすよう動かすことも大事だ。

「また、高校生にも話を聴きに行きましたが、『日本だって、自分達が使う割り箸を中国から輸入しているじゃないか』と、視点は鋭かったです。そして『植林を家族ですれば、楽しいし環境にいいことをしている』という子供らしい発想も良かった。子供から親へ、環境意識の醸成に努められれば、家族で環境意識の向上になるのではないか」
なるほど。最近、学校で子供達にマナーや環境への教育を行っている話はあちこちで聞く。その目的は、子供達を通じて、親の世代にも意識の醸成を働きかけることにもある。

確実に、フィールドワークを通じて、中国の社会になんらかのアクションを起こすためのアイディアを、両大学の学生達は得たようだ。

さて、
中国セクションではこうした意見を集めることができた。

今度は北京大学の学生達を日本へ招聘する番なのだが・・何を見せるのだろうか。

「中国の学生に実際の日本を見てもらったら、『日本は環境意識が進んでいて、街は綺麗で、ごみひとつ落ちていない』という先入観が打ち砕かれてがっかりさせちゃうんじゃないかな」

それでいいんじゃないか。

昨年のセクションでは、『日本は環境先進国、中国はまだまだ』という先入観が両方の学生にあり、中国側が終始押され気味のまま終わってしまった印象があったとのこと。
ならばいっそのこと、歌舞伎町やカラスで一杯の朝の風景などを見せて、日本にも課題があることをぶつけ、日本の課題を克服するアイディアも北京大学の学生からもらえないだろうか。

自虐するのではなく、対等に話をする意味で、日本の課題についても中国の学生に意見を求めて話し合い、お互いの国の10年後、20年後の姿が少しでもよくなるようにアクションを起こせればと思う。

東京セクションは、9月25日から10月1日まで。
1回目・2回目の総まとめとし、第3回目にますます飛躍することを期待している。

『対話』というとこの1冊!!

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「京論壇」の発起人で両大学の架け橋役を勤めている、「日本人」で「北京大学生」の加藤嘉一さん
彼が中国に来てから4年間の間に立ち上げやスタッフとして関わった、「日中交流」をテーマとしたイベントやフォーラムの数は、今回でちょうど50個目という脅威の記録!

そんな「中国人との対話」への取り組みを象徴するかのように、中国の有名なディレクターでミュージシャンの山奇 (シャン・チー) さんとの対談を収めた 『七日談: 来自民間的中日対話録』 (七日談: 民間からの中日対話録。新華出版社)が8月に出版された。

7つのテーマに分け、それぞれ日本や中国の文化などを紹介しながら話を進めていく内容で、読み進めると日中の共通点なども感じて興味深い。

加藤さんによると、
日本人がこのような形で中国の出版社から本を出版したのは、初めてという。
「こんな学生だって、中国で出版することができるんです」と加藤さん、
それは、「中国人と対話できる場所はどこにもある。日本の皆さんも、もっと中国人と実際に向き合って、腹を割って話すことができるはず」ということだろう。

本音で話し合うことで、お互いの認識のずれを少しでも取り除くことができる。

「京論壇」もその表れ。加藤さんは、このフォーラムを10年、20年と続けられるものにしたいと力を込めていた。

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» 日中対話録 『七日談』 が出版 [北京メディアウオッチ]
   中国の有名なディレクターでミュージシャンの山奇 (シャン・チー) さんと、北京大学国際関係学院の公費留学生、加藤嘉一 (かとう・よしかず) さんの対談を収めた 『七日談: 来自民間的中日対話録』 (七日談: 民間からの中日対話録) の出版記念会が 21日午後、北京の中山公園内で行われた。  天安門城楼の北側にあたり、かつての外交の場であったという歴史ある茶館 「来今雨軒」 の中庭に、ステージと客席がもうけられた。 会場は、日中両国のマスコミや関係者ら約200人でいっぱいに。 特別... [Read More]

Tracked on September 02, 2007 08:00 PM

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