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被災地へ4-”復興”に必要なもの

そもそも今回の四川入りを思い立ったのは、日本から知人の知人が来成都されることになったのがきっかけ。
「現地での避難状況、仮設住宅のことなどをぜひお会いしてお伺いしたいんです!」とお願いしたところ、
「貴方が電話をかけて捕まえられれば」
という冒険的な条件でOKが。

で・・・

成都について、本当に捕まえました…(意地?)

この夜は同じホテルを予約して、
何度も、なぜか繋がらない電話をかけて、
やっと繋がったところで11時に
ホテル1階の喫茶店集合。

こうして、建築評論家で
「まちづくり研究所」の渡辺実さんとご対面。

同行の、清華大学都市計画設計研究員・顧林生博士と、
渡辺さんについて同行取材に来た某テレビの
報道さんが同席してくださいました。

今回渡辺さんがいらした目的は、顧博士から委託を受け、
震災地を実際に回り、再び同じ過ちを繰り返さないために、
ハード面、ソフト面においてどうするべきかを提案するためとのこと。

9日午後までくまなく現地を回り、北京で報告。
10日には日本に帰るというから、現地では
明日も見えないスケジュールとなっているそうです。

顧先生が随時「じゃ、この予定はこうしましょう」
と簡単に言うことに「ま、た、か、よ~」とずっこける渡辺さん。

中国じゃ、当たり前です。。。。でも、こういうシーンでも
中国の専門家、今は地震大国?の日本の専門家から
意見をこうむりたいとの気持ちがよく伝わってきます。

そんな渡辺さんご一行に、私が伺って得た内容も
たくさんありました。

1.建築形態について
私が、先日友人からもらった都江堰での
石やレンガ、木片などが混じったコンクリート片の
写真を見せながら、「こういうコンクリートはあるんですか?」と質問。

2008052630_12 2008052630_20

友人のHMさん撮影(08年5月26日~30日の間)

渡辺さんが回答したことは、
このようなコンクリートを作る事例は、発展途上国を中心によくある
コンクリート代を削減するためにこうした強度の低いものを入れてしまい、
今回のような過ちが起きた」

「一番ひどかった例では、建物の梁の部分に、
一列に一斗缶が敷き詰められていたのを見たことがある。
もちろん、一斗缶の中は空洞だった」

こうした、安全性に対して意識の低い人による建築が
今回のような建物崩壊などの事件を招くことになる。

2.提案してきたこと
渡辺さんはこの日、顧先生と一緒に視察に行き、
そして、崩れた学校などの建物を見て、
安全基準にのっとった建物を作るだけでなく、
作っているところを子供たちにも見せてやるべき、
見せることで「自分の家はどうだろうか」と、
子供にも安全意識を持ってもらうことが大事と提言されたそうです。

復興に必要なファクトは、再発を防ぐこと。

だからこその研究なのだと骨身に感じました。

3.断層が・・・
また、今回四川省地震において専門家たちが絶句したことは、
「四川省に横たわる断層『龍門断層』は、2億年前から6500年前に
活動していて、今はすっかり活動を休止した、いわゆる"死んだ断層"
だったはずなのに、突然地震が起きた。これには専門家たちが途方にくれた」とのこと。
この断層が死んでいると踏んだから、四川省の奥地には
原子力発電所に核施設、核廃棄物や兵器類がたくさん埋まっている。

で、現在、この施設から放射能漏れがあるのでは、
と噂されているが、確信の取れる調査はまだ行われていない。

中国には、これを的確に調査できる能力がないことと、

「もし、放射能漏れがあれば、日本だって空気が変わっている。
遠いところで、空気を調べればわかることだ。
チェルノブイリ発電所の事故も、スイスで汚染が確認されたのだから」

との、顧先生の解釈。

要するに、中国で調べなくても、遠方で確認がまだされていないので、
このことから顧先生は、放射能漏れはないと見ている。

4.山古志村と四川省
で、今回の地震について、顧先生も流暢な日本語で
日本の地震例をひとつ挙げました。

「今回の地震の例は、新潟県の山古志村に近い。
山間で地震が起きたら道は遮断され、村は若者がいない過疎地域。
なのに中国は山古志村のことを教訓にしなかった。
山間の過疎地域における良い例があったのに、なぜか
海辺の都市型地震だった阪神大震災を事例にしていた」

以上のことから、

地震が起こりうる時に採るべきケーススタディは、
建物が崩れることやインフラの切断だけでなく、
それらを想定してどのように動くか、という人々の対応面、
いわゆるソフト面の整備を行うことが同時に求められるのだと、
今回の話を聞いて骨にしみました。

・・・

1時間ほどの対面でしたが、

研究家は、何のために研究をするのか。

誰のために、研究をするのか。

そしてマスコミも、何のために、誰のために、

こんなに危ない所で取材をするのか。

そんな視点が大事だということを再認識しました。

P11006241 渡辺実さんと

明日から都江堰。
行く前に、いい心の準備ができました。

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