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五輪と『兄弟』

7月に読了した、余華氏の作品(翻訳:泉京鹿さん)
『兄弟』を読み返してみる。

(『兄弟』の冒頭)
我らが劉鎮のスーパーリッチ、李光頭の奇想天外な発想とは、
2千万ドルを投入してロシアの宇宙船「ソユーズ」で宇宙を
遊覧してくるというものだった。

(Emmyの空想)
我らが北京鎮のスーパーリッチ、李寧の奇想天外な発想とは、
130億元を投入した中国のスポーツ祭典「オリンピック」で、
メイン会場の空中を遊覧してくるというものだった。

・・・
オリンピックを前に、
北の郊外に25万ヘクタールもの土地には立派な運動設備を建て、
元あった家を取り壊し、そこに広い道路と豪華なマンションを作った北京。

工事に間に合わないと、近くの村からおびただしい数の民工を
呼び集め準備にあてがい、こうしてできあがってきた街に
世界中の人を受け入れる体制が必要になると、今度は
北京鎮の老人や学生を動員して道案内や通訳などをさせる。

ついでに治安維持もさせたりする。

・・・

北京オリンピックに勤しむ北京の街中を観ていると、
『兄弟』に出てくる劉鎮という村がかぶって見えた。

特に下巻の「美処女コンテスト」場面。くだらないようで、
準備に勤しむ村人達の盛り上がりようには愛おしささえ感じた。

でも、たとえそこが鎮(日本で言うことの、○○郡××村)
であっても、直轄市の北京であっても同じなのかもしれない。

この単純さと「一致団結」ぶりは、いかにも中国という気もする。

それが、中国(笑)

次の五輪を控えたロンドンは、
果たしてどんな準備を進めていくのだろうか。

・・・

何はともあれ、そんな中国の社会と文革以降が
具体的に描写されているこの作品。

楽しく歴史の勉強ができる、お勧めの1冊です。

題名:『兄弟』(文藝春秋社) 
著者:余華 訳:泉京鹿 税込み2000円×2冊

文藝春秋のサイトでも購入できます。

P1110437

この話を書いた前回のエントリーはこちら http://koma.cocolog-nifty.com/emmy/2008/07/post_bb21.html

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