「2008REAL 日本ドキュメンタリー映画交流会」 日本の社会を映画で紹介!
中国の人々に、日本の社会状況を映像で伝え、
未来につながる日中関係を築く新しいきっかけづくりに・・・
12月22日から24日まで、胡同の並ぶストリート「南鑼鼓巷」
中央戯劇学院で日本のドキュメンタリー映画を紹介する
「2008REAL 日本ドキュメンタリー映画交流会」が開催されました。
映像を学びに来た留学生の岩田三四郎さんと大塚龍治さんが、
日中の人々で映像を通じた交流を行いたい、という趣旨のもと企画、
何度も延期を繰り返す中、この年末に実現することとなりました。
日本のドキュメンタリー映画を、6テーマに分けて選び上映、
各監督を中国まで招待して、トークショーとティーチングを実施。
【上映作品一覧】
地域 『ヨコハマメリー』(監督:中村高寛)
環境 『六ヶ所村ラプソディー』(監督:鎌仲ひとみ)
家庭 『チーズとうじ虫』(監督:加藤治代)
芸術 『NARA:奈良美智との旅の記録』(監督:坂部康二)
老年 『タイマグラばあちゃん』(監督:澄川嘉彦)
歴史 『ひめゆり』(監督:柴田昌平)
700人入る会場を埋めたのは、ほとんどが中国人。
日本の映画には字幕がつき、司会進行も同時通訳のプロ、
中国国際放送アナウンサーの王小燕さんが執り行いました。
初日には、中国のドキュメンタリー映画の一人者的存在で、
日本でも作品が「オフィス北野」配給で上映されている、
世界の巨匠・ジャー・ジャンクー監督が来場。
映画祭のスタートを飾った『ヨコハマメリー(横浜馬莉)』の監督、
中村高寛監督とトークショーを行いました。
中村監督の『ヨコハマメリー』は、横浜・伊勢佐木町で
戦後、パンパン(娼婦)として横浜の町を徘徊した伝説の「ハマのメリー」。
彼女が1995年に忽然と姿を消した。そんな彼女を知る人たちから、
思い出を聞きながら、日本社会の変遷を垣間見る物語。
ハマのメリーさんが突然姿を消した1995年は、
阪神大震災やオウム真理教、など混沌した状況が続く中、
時代から「異質」と言われる人々の迫害が始まった年と中村氏は分析。
「そんな時代が、中国では『小武』が公開された97年です」
と、ジャー監督。97年は、改革開放路線の影響が底辺の市民にも広がり、
中国社会が大きく変化を遂げ始めたころだったそうです。
この2作品に共通するのは、「人」に粘着したところ。
どちらも、粘り強く対象である「人」を追い求め、そこから
背景に当時の中国なり日本なりが見えてくる。
『ヨコハマメリー』は、中村監督が中国へ留学に来た99年から
5年の月日を費やして撮り続け、その間にいろいろストーリーが
当初のものとは変わったということです。
カメラに映る人が見えてくるまでに、
そして映画を作り上げる、という作業そのものには、執念と時間が必要。
そんなことを切に感じました。
・・・
夜の部では、鎌仲ひとみ監督の
『六ヶ所村ラプソディー(六所村狂想曲)』が上映。
世界ですでに上映回数は500回を超え、中国は4回目。
北京は初めてとのことです。
私も名前は聞いていて、取材テーマも、実際に彼女に
現場で会った人から話も聞いていたけれど、映画を見るのは初めてでした。
六ヶ所村に、核廃棄物のプルトニウム再処理工場が稼動してから、
村に住むあらゆる立場の人たちの生活を追いかけた物語。
鎌仲監督も、この作品を作るために、3年もの時間を費やしています。
取材対象者も、六ヶ所村や周辺に住むあらゆる立場の人たちに加え、
果ては再処理工場が事故を起こしたイギリスのセラフィールドまで。
119分の中に、いろんな要素が盛り込まれていました。
この映画は、核再処理工場に反対するのではなく、
自分達の生活として考えてもらいたい、という趣旨で作られた作品。
とはいえ、日本原燃など推進派や肯定派にとっても、
反対派の人にとっても、進んで取材を受けることなど躊躇います。
核燃料施設の中で働く人に、「カメラを回せる」ようになるまで半年かかり、
工場は、最初から最後まで撮影を拒まれたそうです。
「一番苦労したのは、その地域に住む人との人間関係作り。
カメラを回すまで何度も足を運んで、じっくり向き合って、
子供達とは親子のような付き合いをした」 とか。
そんな努力の成果が、多くの出演者と映画の支援者なのだろう。
映画は、一日ではできない。
一本作るのに、数年も数十年もかける人すらいる。
できあがっても、上映する場所探しまでする。
もはや、人生そのものになってしまう。
そこまで尽くす覚悟はできているか。
ちょっと、考えてしまいました。
・・・
上映の後には、監督と近所の酒バーで交流会。
中国の学生さんたちが、鎌仲監督を囲んで色々質問していました。
監督も、終始元気に英語や通訳を駆使しておしゃべりを楽しんでいました。
六ヶ所村取材のエピソードを語る口調もまた元気。
「横にテレビ局のカメラが並んでいる取材現場で、
私だけ追い出されるの。あれ~、なんで~!? ってことばっかりよ~」
みたいな感じで、周りの子達を楽しませてくれました。
気がついたら夜中1時。中国の学生さんの中には、
お母さんからお叱りの電話を貰って慌てて帰って行った子もいました。
何はともあれ、「映画」を通じての日中交流は、
お互いの社会事情を理解すると同時に、
コミュニケーションツールにもなることがわかりますね。
「2008REAL 日本ドキュメンタリー映画交流会」について
【企画主旨】
2008年は,日中青少年友好交流年です。
ドキュメンタリー映画を通じて、日本と中国がお互いの本質を知り、
お互いを理解し、未来に繋がる日中関係を築く新たなきっかけとしたい。
【イベント開催概要】
■開催日時:2008年12月22日(月)~同12月24日(水) ※計3日間
■開催会場:中央戯劇学院 実験劇場
(住所:北京市東城区東棉花胡同39)
■開催内容:映画の上映、および監督によるトークショー&ティーチング
■URL: http://WWW.2008REAL.cn
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