« 以下、おさらいメモ:「チベットの歴史」 | Main | 北京でトイレを直す!ただ、それだけなのに長編 »

日本に帰ったら観たい!二本のチベット映画

3月10日は、チベットの動乱から50周年である
毎年この頃になると、中国共産党が神経を尖らせるが、
中国の国営メディア「人民網」「中国国際放送」は、
日本語でも「チベットの民主改革」という言葉を使っている。
全人代と重なって政治的にホットな季節、なのである。

ホットなまま春が来てくれればいいのだけど・・・先に黄砂か。

昨年のこの頃に起きた衝突事件は中国に住む外国人として、
常に中国という国が少数民族と微妙な関係にあるか
言葉、文化、思想、宗教、様々な要素を材料に
せめぎあっているのかということを、ひしひしと感じた。

折しも1年前、北京五輪の聖火ランナーが世界中を走り回っていた。
事件直後に聖火が通った国では、必ず出てくる中国人と、
必ず出てくるチベット独立支持者で
、五輪だか何だかわからない
「中国へ何か物申すための世界行脚」みたいになってしまい、
走っている人たちや、五輪を楽しみたい人にはかわいそうだった。

長野の聖火リレーを見に、東京から深夜バスで訪れた日本在住の
中国人友も、普通に「自分の国が会場となる五輪の聖火を見たい」
という思いで駆けつけた。だが、チベットの旗を持った日本人から
「中国人は日本から出ていけ」と言われて、やるせなかったという。

しかし一方で、北京でこの事件を発端に漢民族から聞いた意見は、
私の中では違和感を感じずにはいられなかった。

ある友人は、こう息巻いた。
友「チベットが独立するのも、支持するのも、許せない!!」
私「でもさ、文化や言葉が違うと、中国っていう国には住みづらいって、
  チベットの人が思っていたらどうするの?」
友「でも、チベットは歴史上ずっと中国だったんだよ!」

彼女は「統一」が「正義」であるという論調でぐるぐる同じ言葉を繰り返し、
話は2時間経っても終わらなかった。私を説得しようとしていたのか、
本当に、目の前に平行線が浮かんでくるような時間をすごした。

中国の人と歴史の話をすると、どうしても平行線になるのは、
「中国」そのものへの愛情表現、愛国教育の賜物なのだろうか。

なので、日本人の私など外国人がチベットについて話をしても、
おそらく漢民族の人たちにとっては、
「正しい歴史を知らないくせに」とか「内政干渉だ」と言われるのが落ちだ。

確かに私自身、チベットの歴史について、学生時代に学んだ記憶はない。
中国に住んでいるとはいえ、チベット人の知り合いもいない中、
そんなに大きな声を出すことなどは・・という気負いもある。

しかし、あるブログでこの二本の映画が日本で上映されることを聞いた時
その考えを改めて、もう少し前進してもいいのではないか、と思いを改めた。

・・・

『雪の下の炎』
http://www.uplink.co.jp/fireunderthesnow/
政治犯として33年の拷問と投獄を受けた、
チベット僧侶・バルデン・ギャツォの不屈の精神を描いたドキュメンタリー。
この映画を作ったのは、ニューヨーク在住の日本人ドキュメンタリスト楽真琴さん。


『風の馬』
http://www.uplink.co.jp/windhorse/top.php
幼少期を共にすごした、出家した従妹のペマが受けた拷問、
それを伝えようとし当局から追われることになった家族の逃亡、
あるチベット族の、命をかけて自由に向かって立ち向かう物語。
この映画を作ったのは、アメリカ人のポール・ワーグナー氏。


共に4月11日から、渋谷アップリンクなど全国でロードショー。

・・・

これらの映画が外国人とチベット人によって作られたこと、
そして、中国では正式に上映されることはない、と確信できることで、
私の中でモヤモヤしていたことは、雲間が切れたように明るくなったと思う。
「言論の自由をもった国の外国人なんだからこそ、意見を言うべきじゃないか」と。

この映画を紹介している、あるネット記事で、印象に残ったフレーズがあった。

「傍観者にすぎない外国人は、それを言葉にして言ってもいい。
心の奥底に封じ込めた気持ちを分かっているのだ、と伝えるだけで、
小さな希望の炎は永遠に溶けないかもしれない万年雪の下でも
燃え続けることができるのだ。」

本当にそうだと思う。

ただ、そのためにも、やはり私はチベットの人と直に話をして、
もっと勉強して、話し合える素養を身に着けないといけない。

言論は自由だけど、責任は重い。

映画を観るために、やっぱり4月は一時帰国ですな。

↓ここをポチッと押してくれたら、Emmyに気合が入ります
にほんブログ村 海外生活ブログ 北京情報へ  にほんブログ村 動画紹介ブログ ニュース動画へ ブログランキング・にほんブログ村へ

|

« 以下、おさらいメモ:「チベットの歴史」 | Main | 北京でトイレを直す!ただ、それだけなのに長編 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

Comments

>友「でも、チベットは歴史上ずっと中国だったんだよ!」
私は、この言葉、清華大学漢語班の若き先生から聞きました。

みんなそうやって教えられて育ったんですねえ。

Posted by: いずみん | March 17, 2009 at 05:09 PM

いずみんさん

いやはやまったく・・
どの資料を基に、どう教わるのか気になるところですが。
これまた根深い問題ですねぇ

Posted by: koma | March 17, 2009 at 05:38 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/91857/44302439

Listed below are links to weblogs that reference 日本に帰ったら観たい!二本のチベット映画:

« 以下、おさらいメモ:「チベットの歴史」 | Main | 北京でトイレを直す!ただ、それだけなのに長編 »