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【レビュー】『国をつくるという仕事』への覚悟

世界銀行の副総裁を務めた日本人女性・西水美恵子氏
もっとも優等生とする国は、モルディブとブータンだと言う。

モルディブでは、海面上昇問題に対する政府の先見性と、
半年男衆を説得し、自らの村に橋を架けた女衆の自立性に、
ブータンでは、子供の話にも実直に耳を傾け、国の責任を
担う国王の姿勢と、民衆からの信望に胸を打たれた。

どこの国も人も、援助が必要な時はある。
しかし、そのような状況でも、自らで自分のことを考え、
自立する姿勢を持つ所に、援助側も喜びを感じるものである。

そして、私が胸を打たれたのは、こうした民の人たちからも
「学ばせていただく」というスタンスを持つ西水氏の姿勢だった。


国をつくるという仕事

こんなにかっこいい日本人女性がいたのかと唸る1冊。

世界は、正義と、エゴと、主張と、欲、色んなものの渦にある。
その中で人々は、言葉と、ペンと、法律と、お金…
あらゆる武器を使って毎日血を流さない戦いを繰り返している。

世銀の武器は「援助資金」。
彼女が援助を行った国には、いい政府もあれば悪い政府もある。
どちらの政府でも必要だから援助し、その代わり悪政は叱り、
民の貧困を救う。世銀の株主は加盟国の国民、だからである。

この信頼関係を維持するために、戦っていると言っても過言ではない。

それだけに、国の責任も看過できない。国は案外脆いもの。
国民や政治家、海外の人々に愛されてこそ、
持続可能な国を運営することができ、それができない国は
戦争を起こし、国民を減らし、やがて、滅びる。

これは、社会で言えば「企業」にも似ている。

企業は資金があれば簡単に作れるが、持続するためには、
お客様と従業員、株主などあらゆるステークホルダーに
信頼されること。信頼を失った企業は、やがて、崩壊する。

世界銀行は、崩壊する国を食い止め、国民を生かすよう、
健全な「国を作る仕事」を行っているのだ

と、ふとそんな格好よさにふけって出勤した今日の会社。
お昼ごはんに頼んだお弁当のご飯が食べられなかった
問題だったのは、著書の貧困世界に苦しくなったというよりも、
本当の意味で「まずくて、食べられなかった」のだ

北京のご飯は、安ければ安いほどパサパサしてベタベタ。
箸を突っ込めばそのままご飯が容器の形でガボッと出てくる
ふりかけをかけても食感は騙せず、大半は残してしまう。
いい素材を台無しにしてしまう、無頓着な料理に辟易した。

でも、それを差し引いても、この件は私に罪悪感を与えた。
世の中には、そんなご飯もなく泣いている子供がいるのに、
そして、この中国・北京にも飢えている人がたくさんいるのに、
西水氏のように大きな功績を果たすこともできず、
おいしいものに拘って、何もできないままの私。

自分は何かできないのだろうか、どうすればいいのだろうか。
目の前で食べられない冷えたご飯を前に、悶々と悩んだ。

でも、そんな私の戸惑いをも、
書籍の中に見つけたひとつの言葉が教えてくれた。

彼女が数多く触れた首長の中でも、
最もパキスタン改革の戦士・ムシャラフ将軍を尊敬する理由だ。

「自分に正直で民を煽り騙さない人」

最初に、自分がそういう心構えを持つことが、第1歩かもしれない。
難しいようで、でも、とっても大事なこと。
国も、国民も、企業も、社員も、みんなみんなに大事なこと。

この本は、西水氏と共にNewsWeekで
「世界で活躍する100人の日本人女性」に
選ばれた「よーこさん」のブログで知りました。
いつも素敵な情報を提供してくれます。
http://blog.sakanoue.com/

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