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【レビュー】『北京陳情村』 "中国政府"と"クレイマー"の攻防戦に傾倒

1日で読破してしまいました。

それが、前回のエントリーで紹介した「茶旅読書会」の
ゲスト・田中奈美さんによる、『北京陳情村』

ライターの田中さんが、2006年1月から2008年まで、
正に陳情村が無くなるまでを追った、長い長い取材の結晶で、
第15回小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作品を受賞しました。

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北京陳情村

危ないはずの潜伏取材なのに妙に軽くて、
村人達の人間関係と、陳情を巡る人生模様に引き込まれました。

ふるさとでとかく理不尽な迫害を受け、蔑まれた彼等が、
人生そのものを打って出た長い長い政府との戦い。いつの間にか
彼等は陳情局の近くに定着し「陳情村」を構成していました。

中国政府へのクレーム出し、いわゆる「陳情」は、
中国の歴史上古くから存在するらしいですが、
その長い中の最近の歴史(北京五輪など)や行事(全人代など)を
反映しながら政府が行う陳情対策と、抵抗する陳情者との攻防戦。

住民のおばさんが、次々と「気の毒な」陳情者を紹介したり、
その個性派揃いの陳情者が陳情を超えた人間関係を作ったり、
生活のためか陳情を扱った「お手製ビジネス」が登場したり、
やっぱり人間社会は面白い!と思わずにはいられません。

本当に、「事実は小説より奇なり」です。

ただ、

200ページ弱のこの本、一気に読んでしまいがちですが、
ストーリーの中で、時々「はっ」と立ち止まるところがあります。

陳情村の風景を描けば、かつての中国を残したような、
「風呂なしの家、古い食堂、アナログな商店」
などが並んでいる。
それは確かに我が家の近所にもまだまだあるけど、

時折出てくる、「インターネット」、「ケンタッキー」などの横文字。
現代北京と陳情村の風景が比較的に描かれているのを見ると、

彼等は、
「今を生きている人たちなんだ」ということを思い出させるのです。

そんな今、同じ街にいるはずの人々なのだということも・・・

同じ街にいるはずなのに、触れ合う接点がない彼等、
私は在北京外国人として、何ができるでもなく、
毎日風呂に入って、体重を気にするほど食事をして、適当に旅に出る。

何をやっているんだろう、というもどかしさを心に宿しました。

陳情村を壊された今、かれらはどこでどのように、
五輪後の北京で陳情を続けているのだろうか・・

茶旅読書会で購入し、その後で読破した1冊でしたが、
読んだあとでまた新しい「質問」が次々と出てきました。

やっぱり先に読んでおけばよかった・・・(悔)

ネットショップ「アマゾン」が、9月11日から11月4日まで
配送料無料サービス
を行っています。

【アマゾンの配送料のページ】
http://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=642982#international

でも、日本国内限定だそうです (´・ω・`)ショボーン
本を買うなら今のうちですよ!日本国内のみなさん限定で。


余談ですが、9月17日の夜、
国慶節60周年お祝いムードムンムンの天安門付近で、
吉林省から上京してきた男による殺傷事件が発生しました。

http://news.tbs.co.jp/20090918/newseye/tbs_newseye4237719.html

お祝いの陰に潜む、危険な事件。
決して、陳情に付随した鬱憤晴らしかアピールでないことを祈りたいです。

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