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『悲しきアフガンの美しき人々』出版記念講演会―"911"後の"アフガン"を考える

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10月16日。

911事件後、その後のアフガニスタンを定期的に取材し、
『悲しきアフガンの美しい人々』を出版された
白川徹さん(写真右)の講演会が、東京下北沢にある
ワールドカフェ&バー・INSTEPLIGHTで開かれ、
訪れた30人ほどの聴講者を前にアフガニスタンの現状や、
今後のアフガンの行方、取材の裏話や思いなどを伺いました。

今年の「911・10周年」報道、日本メディアは積極的に
崩壊したWTC周辺やアメリカの経済について伝えまくったけど、
アフガンの人々に関する視点は遥かに少なかったな…と思い返す私。

話の内容は重いもので、
一般市民の、貧困、病気、薬物、宗教観を無視した米軍の取り調べ…。
挙句に、先進国からの「利益にならないから援助打ち切る」的風潮…。
問題が慢性化し世界中の注目が薄れて行く中、

「今後、こうした風潮の中、米国軍も撤退していくかもしれない。
そうなると、再びパワーバランスが崩れて内戦が起きる可能性がある」

という危惧を伝えて、講演は締めくくられました。

本来、米軍がここに駐留するのは、ただ今の状態を維持するだけでなく、
いつか米軍が撤退しても内戦が起こらないようにする長期的な
復興計画があってこそではなかったのか…と、私は若干の違和感。
白川さん自身も米軍の話を聞く時の違和感を伝えていました。

繰り返しますが、911の時でさえアフガニスタンについての報道が
少なく、911は記憶にあってもすべてが米国視点になってしまう中、
実際に現地の人や米軍と交流し、聞いた話をありのまま
伝えてくれた白川さんの報告は、聴講者にとって非常に貴重なものでした。

・・・

今日の講演をされた白川徹さん、
後半でクロストーク(対談)をされた今井紀明さん、
司会を務めた安田菜津紀さん、
講演会を企画したのは、そろって20代半ばの若い世代。

10代のころから自身の中に「テーマ」を見つけ、
真摯に、社会の中で存在を確立するべく努力を続けている。

自分たちの意思で危険な紛争地帯へ行き取材をすることについて、
外へ出ない人たちからは、時には色々言われることもありますが、
実際に足を運んで現地の情報を伝えてくれる人たちは有難いです。

・・・

個人的に取材者としてみると、
なぜ、危険な場所とわかりながら何度もアフガニスタンへ行くのか―。
白川さんは「何か、アフガニスタンの人たちには"引力"があるから」
と話していました。その気持ちは、中国にいた私にも理解できます。

日本国内でもひとつの事件をずっと追い続けている人は
同じように、取材対象者になんらかの引力を感じながら、
そこに魅かれるものがあるから…取材を続けているのではないでしょうか。

・・・

書店にも並んでいるそうですが、AMAZONでも購入できます。
悲しきアフガンの美しい人々

司会を務められた安田菜津紀さん、クロストークをされた今井紀明さんも、
皆さん本を出されていて、海外の現状を日本に伝えています。

アジア×カメラ―「正解」のない旅へ  ぼくがイラクへ行った理由
               

・・・

自分たちのことと関係ないようにも見えますが、
ギリシャの経済危機、ユーロ安、米国の反格差デモも、
日本に関わるから伝えられているように、
アフガニスタンも、カンボジアも、イラクも、日本に影響が及びます。

確かに、それぞれの国で事件が発足した当時は、日本でもよく報道されましたが、
今でも問題はそこに横たわっていることを、こうして定期的に取材し続けている
方々が伝えてくれることは重要で、彼らの報告により、
ずっと横たわったままの問題が改善に向かってくれれば、と願っています。

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