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2012年の反日デモと領土問題(私情挟みます)

2012年9月18日。日中国交復交40周年という節目の年に、
尖閣諸島の領有権を巡って、日中関係が悪化しています。

中国では、9月上旬から1週間以上にわたって80都市以上で
反日デモが行われ、その規模はこれまでで最大といわれます。

まず、今、日本は冷静になり挑発に乗らず、
でも毅然とした態度で応対することが大前提の防衛策かもしれません

仕返しに、日本で在日中国領事館を攻撃したり、
街を歩く中国の人に手を出すことは、日本人ならやめましょう。

領土問題になると、双方熱くなりやすい。
火の付け方によっては、暴力に及ぶこともある…
でも、その拳を下げて「ちょっと待て、そこには何の利益があるのか?」
と考えるくらいの時間は、何千年という歴史を思えばたやすい…はず。

ここから先は、私が日本人として学んできたことと個人的な話をします。
普段は大好きな中国の友人達と、やはり歴史や領土の話題になると
相違ある主張をし合うので、いったん整理しようと思ったまでです。

capricornus typhoon yacht capricornus typhoon yacht

何千年という歴史の上にある地球。
長い時間の中、微妙な場所にある島や陸というのは、
その時その時によって、あっちになったりこっちになったりします。
更には、双方が双方の史実を根拠に「うちの領土だ」という時もあります。

だからこそ、現代世界には秩序を保つ国際上のルールが出来て、
「今は、どこの領土か」ということを第三者かつ客観的に判断。

その結果、現在、尖閣諸島が日本の領土であるという
判断が下されていることが、現在言うまでもない事実なのです

良く登場する「中国人がしっかり歴史を学ぶ分厚い教科書」には、
残念ながらこの国際ルールという常識が記載されていないようですね。

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もし、「この時代にはうちの領土だった、だからうちの領土だ!」
などという自国だけに都合の良い歴史を根拠にした主張が
世界に許されるならば、南樺太は日本のものだと主張できます
北方領土だってできるのです。

個人的な話ですが、私の祖父は昔、南樺太に住んでいました。
南樺太で働いていて、南樺太で祖母と結婚。
その当時(1930年代)、この南樺太は日本領だったのです。

しかし今は、国際上のルールによってロシアのものに

【北海道のホームページより】
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sm/hrt/hp/histo.htm#torikime

日本は、今もこのルールに従っています。
ゆえに私は、その「縁」のある場所に、気軽に行けないのです。
ビザを取得すれば行けるのですが…。

たとえ、当時のソ連が多少姑息だったとしても、
「日本が領土を放棄」して、そう判断されてしまったから仕方ない。

※ソ連は、日本の敗戦が明らかになった1945年の8月9日に、
第二次世界大戦に参戦し、ポツダム宣言後も侵攻を続けました。
この辺り、日本がドイツと同じくらいのタイミングで降伏していれば、
防げた話だったのにと…今になっては後の祭りですが。

そして、北方領土は上記リンクをご覧いただく限り、
ロシア領とは断定できない状態にある訳です。どうやら、
取り決めた時、千島列島の認識に相違があったとか(まったく…)。

そして、その「曖昧な相違」を生み出し、放置することで、
両国の間に「領土問題」を作ったのは、なにより…

「米国」の力が大きく働いているのです。
そんな米国に、日本は“守られている”と錯覚し、
日本で一番強いような人達は、米国とのつながりを、
中国やソ連よりも大事と言っている状態が、戦後の日本なのです。

もっと、ソ連や中国と上手に付き合っていれば、
一連の領土問題は本当にない、と言えるのに、
これらの国を真っ向の「敵」みたいに捉えてしまっていることが、
全然、事態を進展させない元凶なのではないかと考えてしまいます。

そういう訳で各地で領土問題は確かにあるけれど、
ここでたとえば日本が船を1000隻出して北方領土に上がって、
強引に「ここは日本の領土だーー!」と言ったところで、
想像してみてください。世界の失笑を買うだけだということを

だからこそ、このグレーな立場にある北方領土については、
武力や暴力を使わず粘り強く交渉を続ける姿勢を崩さないのです。

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船で領海近辺に入る、または上陸するなどを強行したり、
いろんな自分たちの領土だった都合の良い史料や解釈を並べて
「うちの領土だ」という主張をしたり、自国に都合良く作った海図を
国連に提出したりするのは、常任理事国として恥ずかしい行為。
さらには、暴力・破壊・略奪を帯びたデモまで起こすとなると・・・尚更。

繰り返しますが、
今の事態で中国が何をしてこようとも、日本は冷静に挑発に乗らず、
でも毅然とした態度で応対することは大前提の防衛策かもしれません

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ともあれ…

北方領土も尖閣諸島も、平和的な解決ができることを祈るばかり。


個人的には、死ぬまでに
南樺太の地を踏んで祖父の縁の地を訪ねたいものです

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

Comments

その語気や雰囲気がなんだか腑に落ちない、
不可解なオーラを放つ。
もしお友達がこの部分を読んだら、傷つくと思います。
もし気になるなら直接聞けば良いと思います。
何か上から目線というか。。。
私は日本で育った中国人なので、おっしゃりたい事も
良くわかります。
ただそれを本人に聞くか、考えないと一生理解できないですよ。逆もまたしかりです。向こうも言ってないことあるかもしれません。
中国を良く知られている方が何かに遭遇して、一言言おうと思ったけど、押し殺してその思いを皆さん日本語でブログに投稿していても、中国人は読む事ができないし、emmyさんにちょっとそこは待ってよ!みたいな事は起こりません。
こんなに日本と中国の事を真剣に考えられているのに凄くもったいないと思います。 私的なブログに長文ごめんなさい。日本人と中国人、両方の気持ちがわかるだけに、あえてコメントしようと思いました。 大学三年生の率直な気持ちです。

Posted by: y | September 29, 2012 at 03:40 AM

y様

ご丁寧にコメントをいただきまして、ありがとうございます。
確かに、最初にご指摘いただいた部分は、
多くの中国の友人に不快な印象を与えかねないですね・・
少し、修正させていただきます。

今回のエントリーは、中国を責める訳でも見下す訳でもなく、
国際的な話として、直に中国の人にも話をしています。
ただ、本当にブログで喧嘩したい訳でもないので、
少し調子を柔和させ私情も挟み、自分の思ったことを
述べたまでなので、上から目線と思わないで頂ければ・・・。

確かに言葉の関係もあり十分に討論していない感はあります。
もっと中国語を勉強して、難しいことも楽しいことも
色々話ができるようになりたいというのが、個人的な目標です。

yさんの、両方の気持ちがわかる方としてのお話は非常に
貴重なご意見と本当に思いますので、是非、
今後も様々なところで、ご意見を頂けますと幸いです。

Posted by: emmy | September 29, 2012 at 08:37 PM

お返事頂きありがとうございます。
実は人生で初めてブログにコメントしました。
アメリカ人にイラク戦争の是非について真意を問う人は少なくとも自分の周りでは見たことがありません。
でも留学生の知人は中国人と分かった途端、尖閣問題をふっかけられ、まるで彼を通して中国の全体像を把握しようとする人に困ってました。
僕は広州にルーツがあるので、よく色々な人々とご飯を食べますが、尖閣に関しては大阪のおばちゃんみたいな人がたまに
結局、どっちなんだろうねえ。と話すぐらいであまり関心を持っていません。逆に日本については
とにかく親切で思いやりがある。
堅い。真面目。みたいな評判です。
もちろん心の中に言ってない思い等はあるでしょう。
今回のデモは暴力行為を伴うひどいものでした。
しかし、僕が新宿に住んでいたころ、警察署からは
「中国人かなと思ったら110番」というチラシが入っていました。
日本で日本名を使う中国人や韓国人は大勢いますが、
中国で中国名を使う日本人は皆無だと思います。
要はお互いに偏見が強すぎるんですよね。
違いを理解しつつ、お互いを愛しく思う。
自分の国にはない、いい所をお互い探しながら。
同じ人間なんですから。
討論は時には意味をなさない事もあります。
友達みんなを諭すのではなく、この人には聞いてみたい!
と思う人と熱く語ってみてください。
求めてる人がいるはずです。
普段、全然政治に関心はないですが、
たまにこういう事を考えます。また書いてしまいました。。
実は若者の意見としては、こういう事を抜きに
色々なところで自然にお互いが友達になれる社会になってほしいな、というのが本当の所です。


Posted by: y | September 30, 2012 at 02:13 AM

y様

まさに、最後の1文につきます。
こういうこと抜きに、仲良くできる社会…が、一番理想です。
その一方で今、こういうことがあっても、
仲良くさせてもらっている中国の友人も少なくありません。
確かにこういう時はぶつかってしまいますが、
それでも、これはこれ、それはそれ、と切り離して
付き合える友人には感謝です。

yさんも、日本で色々辛い思いをしてきたと思います…
新宿の例などは、同じ日本人として申し訳ない気持ちです。

イラク戦争をアメリカに問う人がいないというのは、
驚きです…。100%正義の戦争だと思いこんでいるから?
でしょうか。世界にはまだ、いろんな「争い」が跋扈して
いますが、人と人の付き合いでは「悪い」よりも「良い」を
増やしていける社会、それが将来は国と国のいさかいも
小さくしていければ、本当にいいですね。

Posted by: emmy | September 30, 2012 at 05:33 PM

すみません。
僕は日本であまりつらい経験はしてません。
いい友人にも恵まれていますし、多少の事は全く気に障りません。
僕が言いたかったのは、移民してる人全員がそのような力を必ずしも持ってるわけではないという事です。
特に若い子供等は敏感で、
移民の子は「中国語ださい」とか思ってる子もいます。
しかしこれでは自らの親の母国語を馬鹿にしてしまっていて、
とても残念なことです。
アメリカの例を出したのは、日本人と欧米人が付き合うとき、
政治上の軋轢があっても、個人間で好き嫌いに変化が生じないケースが多いように思うからです。
でも中国が相手だと暴動のニュースを見ただけで、中国人全体に一定の嫌悪感が出てしまう。
あくまでも個人的な感覚ですが、中国人はニュースに一喜一憂する人が少ないです。文革もあったし、政治家になりたい人はとても少ないです。
情報源としては使うけど、自分の信条に大した影響はありません。
でも日本の人々はとても優しくて純粋さがあると思います。
それでこんなひどいことがあっていいのか、と心を痛めてしまう。
でも世界には理不尽なことがあふれかえっています。
ニューヨークの地下鉄に乗った時、スペイン人やイタリア人が大声で楽しそうにしゃべっていました。
これを見ると「すげーなー。国際的だなー。」と思う日本の若者は多いでしょう。しかしこれが中国人だったらどうでしょうか。
僕は日本人と中国人の心の距離感はまだまだ開いてると思います。
双方が他の外国人に抱く感覚と同じになったとき、とてもいい結果が待ってると思います。
気を使わせてしまって、ごめんなさい。
emmyさんの様に、中国語を勉強されてる方を尊敬してます。
僕は広東語しかしゃばれないので。
映像制作頑張ってくださいね。

Posted by: y | September 30, 2012 at 08:52 PM

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