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”誤解”と”温度差”―歴史めぐる諍いは知識ではない

”誤解”と”温度差”

そうした「知識」以前の問題―心の認識にずれが生じ、
それが常に日中の諍いを生んでいるのかな…と、
思ったことが立て続けにあったので徒然と。

BBC中国語版に掲載された、
ブロガー安田峰俊さんの記事が炎上していると聞き、開いてみた…。
反日デモに関して「90年代以降」の人達に尋ねた記事だが、
本当だ、すごいコメントが並んでいる。

http://www.bbc.co.uk/zhongwen/simp/world/2012/10/121001_japan_china_author.shtml

内容は、微博に並ぶような罵詈雑言と違って、
英語もできる人が多く、きちんとした批判文が多いです。

しかし、そこに驚く言葉も散見されます。たとえば…
「二战后,历任的日本主政者都推行愚民的爱国教育,完全否定对邻国们的侵略」
(第二次大戦後、歴任の日本の政治指導者は愚かな愛国教育を行ってきた。
隣国の侵略については完全に否定してきた)


えええーっ!? 中国の子供達って、そ、そんな!?
「日本人がどういう教育を受けているか」って所まで教わるんですか?

そういえば中国に住んでいた頃、中国の友人に
「日本人は”正しい歴史”を学んでいないですよね」と言われ、
何を基準にして”正しい歴史”って言うのかなーー?と不思議に思ったことが何度か。
それってひょっとして、こう教わっていたからなのでしょうか?

もし、中国の皆さんがこれを大前提にした上で、
今まで歴史問題を語りあっていたとしたら、
それは根本的に話がかみ合わない訳です。
もちろん、侵略の歴史と今の領土に関しては繋げて考えませんので、
その辺はすれ違いがあることを承知の上で言います。

それにしても…逆に中国の愛国教育が中国の子供たちに染み込ませてきた
”誤解”は解けるような時が来ればと願うばかりです。

そして今日、NHKの「日中外交はこうして始まった」の再放送を見ました。

http://www.nhk.or.jp/special/detail/2012/0930/

中国人スタッフも交えて作られた番組で、周恩来と田中角栄・大平正芳外相を分析。
極めて客観的に作られていたと思います。

司会は、NHKで中国といえば!の鎌倉アナ。彼女が最後に言った、
「中国の友人はすごく日本文化を好きになってくれている。
でも、歴史のことになると急に態度が豹変して発言も激しくなるところを何度か体験した」

これは、前述のことを含め、私も同じ体験をしたので同感だった。

で、そういう経験をするたびにふと思った。

日本人の場合、この一連で何が足りないかを考えると、それはおそらく、
中国の人たちほど、自らの歴史について”情熱をもって”学んで来なかった
あまり重要科目として扱ってこなかったところではないだろうか。

中国の人にいろいろ”誤解”されていることもあるだろうけど、
誤解を解くこと、ここはこう学んできた、と説き伏せることができない。
互いの認識には相違があって、決着をつけることなんてできないこと…
こうした歴史に対する心の”温度差”があること、自覚しなければと思う。

BBCに書き込んだ人たち、情熱持ちながらも文面はきわめて冷静な印象です。
日本人は冷静すぎるので、逆に、ここまで詳細に主張できるように、
もっとしっかり”自国の歴史”を学んでいく必要はあるかもしれません。
愛国教育ではなく、反中教育でもなく、もっとフラットに、ね。

きっちりと中国の人達に反論できるような情報を蓄えた上で、
日本への情熱を秘めつつも、冷静さを保ちながら、
妥協点を探っていくのが、理想なのかもしれませんが・・・

(今の日本+今の中国)÷2 的な情熱度合い
&バランスの取れた知識と情報。

やっぱり子どものころから身につけていないと、これは難しいのかも。

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Comments

知識上の大きな誤解はお互いが誠実であれば、すっと溶けると思います。
ただ完璧な教育等、あるはずもなく歴史は事項を知り、それについて考え、当時の人々の生活、心境まで想像し、色々な年寄りから話を聞き、自分で考えることが大事だと思います。
しかし心のスタンスの違いが歴史を話し合っている両者に生じていたとしたら、これは容易ではないです。
僕もたまたま番組を見ていましたが、鎌倉アナが「態度が急変」といった時、何か中国人と日本人の間に壁を感じました。
その時の状況がわからないので、何とも言えませんが、
俺日本のアニメ大好きなんだよね。
という話の次に、そういえば南京事件の30万人殺害説ってホントかな。 とふられたら誰だって、黙ります。
そして何で楽しく話していたのにこんな事聞くんだろう。
と思うと思います。
僕自身も日本にいるため、色々聞いたりしたくなった事もあります。でもやっぱりやるべきでないし、やってこなくてよかった。と思ってます。
歴史の話は本人が話したいときに少しずつ聞き出す、あるいはちゃんと真剣な姿勢、それは相手の思いを聞きたい。という姿勢を全面的に出すべきです。
歴史の話は慎重に持ち出すべきです。
この辺のカン、みたいなのが一昔前に比べて完全に鈍っている人が多いと思います。
「お前いじめられてたんだってな。詳しく教えてよ。」みたいに受け取る人もいるかもしれない。
現に彼らの祖父母はどんな事があったか語り伝えている場合もあるんですから。現に僕の祖母の村には日本軍が入ってきていました。歴史の奥には必ず教科書に載ってない大勢の人間がひしめいています。それを理解せず、歴史を扱うと心を傷つけあうだけです。
僕の知り合いのおじいちゃんは戦闘機のパイロットでした。彼は80何歳ですが、日本語も話せたみたいで、会うとなぜか日本の歌を歌ってくれます。
とても古い歌で日本の軍人と交流とかもろもろったと思います。近所の古本屋のおじいさんは日本人でしたが、本籍は清国、日本に戻ってからは、空襲警報の嵐で、小学生の時に終戦したそうです。
この二人は面識もないし、これから知り合う事もないでしょう。でも両方に接した僕は根底に同じものを感じました。そして彼らが話し合ったら、同じ結論がでるとおもいます。
日本側に立ったり、中国側に立ったりすることはないでしょう。お互いの状況を話し合って、理解を深める。
国は違えど、ある意味で戦友なんです。
両方とも戦争に翻弄された一庶民。
僕は日本も中国もこういう人の話をもっと個人で聞いたり、言い伝える事を怠っていたと思います。国家の事業として証言を記録するべきでした。そうすれば不幸な歴史も未来にいかせます。何かしらその辺は掘り起こさなくてよい、と考えた人々がいたからいつまでたってもうやむやなまま。
語ってこなかった老人が悪いのか、聞こうとしなかった若者が悪いのか。今となってはわかりません。
まだ生きている経験者がいなくなったとき、
歴史に目覚めた若者がインターネットを駆使して、第二世代、第三世代の有名大学教授の本を読んで討論してももう遅いと思います。
近現代史=文系受験の必須科目としか捉えていないのが現状です。塾の講師をしてて、そう感じてます。

あと、もう一つ。もし中国人に対して説得する。みたいな姿勢で話してる人がいたとしたらそれはやめるべきだと思います。
説得して相手が納得しても、それって相互理解といえるのでしょうか。相手を説得したら、自分も説得されるべきですよ。どっちかが完全に正しいなら話は別ですが。

知識量で理解を深めあってる人々っているのでしょうか。
知識はあくまでも話の潤滑油であり、人の魅力を付け足すものです。

大学に東大や国立出の先生が一杯、いますが年配の先生は生徒を真剣に指導してくれる尊敬できる人が多いのに対し、若い先生は授業が評判悪いのを生徒のせいにしてる人が多いです。どうせわからないんでしょ。みたいな半ばあきらめの心境なんでしょうか。しかし授業もかなり下手です。(理系の場合)
つまり知識以前に、一番大切な何かが欠けているんです。

歴史の話も、同じことが言えると思います。
本来、日本の学者と北京の市場のおっさんが
歴史について当たりあうべきなんです。
知識の量を競ったり、理論武装せずに
歴史をテーマにしつつ、知識をあくまでも潤滑油にしながらお互いの価値観を知り、その人の心を知る。

それが一番大事だと思います。

あまり妥協点とか考え過ぎない方がいいと思いますよ。

長すぎてごめんなさい。
もしかしたら言葉足らずな所があるかもしれませんが、
なぜか書かずにはいられませんでした。

僕自身、外であまりこういう話はしないので、
いい機会だと思い、書かせていただきました。

Posted by: y | October 05, 2012 12:41 AM

訂正。すみません。

僕自身も日本にいるため、中国に行った時、色々聞いたりしたくなった時もあります。

Posted by: y | October 05, 2012 12:45 AM

y様

具体的にご自身の体験談をありがとうございます。

中国の人が歴史問題になると態度を豹変されることについて
おそらく、私たちが日本人だから、ということもあるのかも
しれませんね。
彼らの「心の導火線」に火がつくタイミング、何を話した瞬間に豹変させるのかは私も具体的に言えません。
驚くほど、急に怒り出す、興奮してまくしたてる…という感じ。
反日だけでなく、08年の時の反フランス運動でも、なぜか
私に「シラクは許せない!チベットは中国だ!」と怒鳴られ、
私はただただ唖然とするだけでした。何をきっかけにそうなったか、本当によく覚えていないくらいです。

>あと、もう一つ。もし中国人に対して説得する。みたいな姿勢で話してる人がいたとしたらそれはやめるべきだと思います。

説得しようなどとは思いません。説得しても不毛です。
逆に、中国の人も日本人に対して説得する姿勢をとっても
それが不毛であると思っていただければと思います。
相手を責めあうところに、発展は見えないことは、
メディアや自身の体験など、色々なやりとりを見て自覚してきました。

妥協点、というより、引き際・いつこうしたやりとりを終わりにするか、
という方が正しい表現だったかもしれません。

拙文のために、いろいろと考えさせてしまい、
多くの時間を割いてしまってごめんなさい。
でも、貴重なご意見をいただけたこと、本当に感謝しています。

Posted by: emmy | October 05, 2012 02:54 AM

emmyさんの出会った事のないタイプの中国人に巡り合えるといいですね。
私に「シラクは許せない!チベットは中国だ!」と怒鳴られ、
私はただただ唖然とするだけでした。
それは僕だって驚きますよ。
個人的に譲れない思い入れがあったのでは。
そしてそういう人々が一定数いる、という。
ただただ唖然した。というのを中国の話せる友人に打ち明けてほしいです。あるいは打ち明ける事のできる人に巡り合えるといいですね。
僕なんか、しょっちゅう愚痴ってますよ。聞いてくれる友人にはホント申し訳ないけど。
まあ愚痴られる事もあるけど。
若者だからか、国を意識したことはないです。政治もネタというか。俺たちは目の前の勉強やら将来の為にがんばらなきゃならないし。
おまえどっちにつくよ?なんて聞かれたり、おまえ日本代表として島行ってくれ。アホか(笑) みたいな感じで次の話題に移ってます。

でも、大人の間の関係はもうちょっと複雑かもしれないですね。
家族や国とか背負ってるものが違うというか。

めちゃくちゃくそまじめな文章を書いてましたが、
肩肘はらずに個人間で本当の友人関係を築いていけば、いやな事も減るんじゃないかな。という事を伝えたかったのです。

コメントは僕が書きたくて書いたので、むしろそれに付き合って頂けて感謝しています。

あといろんなこと、ロジックで理解するよりいつか体でわかる時が来ますよ。
僕が遠野物語や神社に心惹かれるように。

外国人と話すときは、多少の事に目をつむりましょう。
つむっている内に、ある日違和感を抱いていた事がむしろただの現実として、客観的にわかり、平気になり、さらに親しくなれる時が来ます。
移民からのアドバイスです。ぜひ実践してみてください。

実はこのブログにコメントしたのも、
映画が好きということもあるんです。
山の郵便配達とか、グッド・ウィル・ハンティング、ジャッキー・チェン、西田敏行、高倉健は尊敬してます。
映像は本当に伝えられるものがありますよね。

また書いてしまいました。。。
僕も、色々と頑張りたいと思います!

僕からのメッセージを中国人から、というより一人の日本人からだと感じて頂けるとうれしいです。

失礼なことも書いてしまってたらごめんなさい。


Posted by: y | October 05, 2012 11:43 PM

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