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「中国共産党・新体制はどんな感じ?」-福島香織さんに聞く!!

12月1日に発売された、
中国「反日デモ」の深層
の著者・フリージャーナリストの福島香織さんに話を伺ってきました。

題して、「第18回 中国共産党大会後の中国」

各テレビや新聞などのマスメディアでは、
「次は習近平氏が総書記で国家主席になります!」、
「で、この人はどういう人?」
「で、日中関係どうなる?尖閣諸島は?」という話が多かったのですが…

今回のお話は、
政治局常務委員に入った7名の方、いわゆる「チャイナ・セブン」
の内訳を分析し、
今後5年間の中国がどんな政治を行うか?
という解説で、非常に具体性に富み役立つお話でした。

ちなみに、中国の情報・深層については、あまり公式発表がなく、
その公式発表すら政府で操作されている可能性が高いことから、
情報源として参考とするのは、それなりに信頼のできる、
裏事情に詳しい中国の人たちによる話だそうで、ただしそれは、
結構精度が高い、とのこと。中国にいた身として納得のいく話でした。

それを踏まえて以下に、詳細を記録。

まず、共産党の常務委員(チャイナ・セブン)を分析すると、
(内訳の役名・年齢は2012年12月8日時点)

1.習近平(総書記、国家主席、太子党、上海閥 59歳)
→父親は、中華人民共和国の建国に貢献した習仲勲氏。
→学生時代は、文化大革命にあって下放(農村労働)したため、
 彼の学生時代のエピソードはあまり聞かれていない。
 海外経験もなく、ドメスティック路線の政治家という印象。
→ 浙江省・福建省など、経済発展に関わりの深い地域で書記を務め、
 台湾関係などは力を発揮すると思われる。
→外交・日中関係には弱そうな一面もあるが、
 妻で歌手の彭麗媛が訪日団で日本を訪問した経験あり、知日派。
 天皇陛下を訪問したのは、そんな妻から「天皇に会うべき」と
 つなげてくれたことが背景にあるという。

基本的に、「凡庸な人」。人柄や政治手腕は保守的で地味という見方です。

2.李克強(首相予定、団派・胡錦涛派 57歳)
→ドメスティックな習さんと対照的に、
 海外留学経験も、訪日経験もあるエリート。英語ができる。
→学生時代のエピソードもかなり多く聞かれる。

一見、派手な印象で、習さんと良いバランスをとってくれれば、と思いました。

3.張徳江(全人代常務委員長予定、上海閥 66歳)
→北朝鮮とのパイプがある。
→重慶市書記を失脚した薄熙来氏の後がまとなり、
 そのご褒美として、今回チャイナ・セブンに選ばれたのではないか?

4.俞正声(全国政治協商委員会主席、太子党・上海閥 67歳)
→本来は「指導部は嫌だ」と言っていたらしい。その言葉の裏には、
  兄が亡命していること、毛沢東氏の妻・江青の元夫の子供であるという
  複雑な家系によるものという見方がある。

5.劉雲山(中央書記処常務書記、中央党好調、団派だが保守 65歳)
→影響力の大きな胡派

6.王岐山(中央紀律委員会書記、太子党・中間派 64歳)
→元北京市長(私が住んでいた頃は市長でした)
→金融畑で、リーマンショック後の政策で力を発揮した。
→今回、李克強に気を遣い?経済に関わらない「紀律」の役になる。

7.張高麗(常務副首相予定、上海閥 66歳)
→李克強の補佐となる人物

王岐山氏以外の4名は、保守派と言われています。

そして、注目されながらも
今回残念ながら、常務委員に入れなかった2名は逆の「改革派」。

・李源潮(国家副主席予定、団派・胡錦涛派)
・汪洋(副首相予定、団派・胡錦涛派)

この2名が入れなかった背景に、
李源潮氏は、天安門事件に関与していた改革派ということで、
江沢民政権時代に首相を務めた李鵬氏の横やりが入ったこと、
汪洋氏に至っても、同様に改革派だったことへの
李鵬氏の排除があったのではないか、との見方でした。

総合して、福島さんの見解としては、
「今後5年間は、あまり大きな改革はなく、
無難な政治運営をするのでは」
という結論を出されていました。

しかし、選ばれたチャイナ・セブンの7名中、現在50代は上位2名。
中国共産党の引退は70歳と言われる中、下の5名は既に60を過ぎているため、
おそらく2017年の交替では引退となる身分と言われている。

この年を境にひょっとすると中国にも何かしらの影響があるという
見方も否定できず、2017年以降の中国こそ大きな体制改革が
起こるのではないか、とのことでした。
その年は、香港で行政長官の選挙もあり、何かしら影響を受ける
可能性も否めない…かもしれません。

こうした話を、
『中国「反日デモ」の深層』
で、もっと詳細に書かれているそうです。

大きく4章に分かれていますが、
うち「最初の3章は、中国の抱える問題」を記述し、
4章で、その結果発生したという反日デモに触れているそうです。

この講演を聞いてから手にしたので、早速読んでみたいと思います。

ちなみに、質疑応答の時に、
「もし、今回の選挙で自民党が返り咲き、安部首相が復活したら、
自衛隊を防衛軍にするという憲法改正は叶うのか?
その場合、日中関係はどうなるのか?」という質問が出ました。

福島さんからは、
「憲法改正は現実として3分の2の賛成が必要なので可能性は低いと思う。」
「自民党の方が、中国は実は付き合いやすい。」との回答。

「05年に反日デモが激化した時(小泉政権)も、水面下では経済促進が
進んでいたし、06年に就任した時の安部さんは真っ先に中国へ来た。
07年の福田さんの時は、東アジア共同開発が取り交わされた。」と
かつての自民党政権時代の日中関係の事例を挙げ、好転を示唆しました。

確かに、今年の反日デモ激化の背景は
野田総理の尖閣諸島国有化でも、
石原慎太郎都知事(当時)の購入問題でもなく、
今年2月に行われた日中友好7団体の交流会で、
多くの団長が自民党出身者だったために
何もできなかったことが
、元々の火種だったという話も、
11月に行われた神奈川大学でのシンポジウムで、
http://www.kanagawa-u.ac.jp/community/lecture/poster20121124.pdf

矢吹晋先生が解説されていました。

中国の今後の5年間の見方は分かりだしてきましたが、
日中関係は、12月16日の衆院選以降の行方を見守るしかないでしょうか。

最後に…
中国に関する「ヒラリー予言?」も、気になるところです。
これについては、文字が多すぎてしまうので、また改めて。

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