« 『ワーク・シフト』著者、リンダ・グラットン教授にお会いして…(いち30代の記録) | Main | 小田原城の梅満開♪&寄り道グルメ話(2013年2月23日) »

「遺体 明日への10日間」-被災地外&取材する立場から感じたこと

震災からもうすぐ2年―。

「こういう時しか、伝える機会がない」
というムードになりつつある東京のマスメディアと、

「別に2年という節目は、関係ない。
被災地は今でも毎日横たわる問題と戦っている」
という被災地の方々とのギャップに、

どことなく複雑な思いを抱えながら、
あと2週間で迎えるであろう震災2年という瞬間。

仕事しながら考えに詰まるところがあったので、
どうしても観たいと上映開始の2月23日に観賞してきました。

「遺体 明日への十日間」

2年間テレビで延々流されていた津波や瓦礫、避難所の映像はなく、
逆にテレビ映像では一切流れなかった遺体安置所と
ご遺体、ご遺族、関係者だけでストーリーが描かれています。

それはテレビでは、カメラを入れることすらできなかった
閉ざしてきた情報、そして暗黙の了解で封印した風景。
だけどできることなら、被災地外の方にも"伝えてほしい現実"だった。
だから、今回の映画に感謝しています。

震災当日、私はテレビ局でまったく震災やニュースとは
関係ない番組の制作をしていて、3月いっぱい
「震災とは関係のない仕事をしていた人」でした。

その後、報道の仕事に就くようになり、
初めて被災地のひとつ・宮城県石巻市を訪れたのが4月の終わり。

だから、2年前の3月11日からの10日間、本当に現場でご遺体と面し、
自らも心身共に疲れ傷ついた方々がいらっしゃるということを、、、
私はまったく目にしていないし知らない、のです。

この光景を知らないがゆえに、その体験をしていないがゆえに、
今、取材にしても、ボランティアにしても、観光で訪れたとしても、
そこで被災地の方々と接する時、
私の言動やその聞き方が被災地の人を傷つけていないかと、
改めて不安にもさせられた映画でしたが、、、

それを知ったことは、本当に貴重なステップ。

そして、
「皆さんはこの光景と最初の10日間を過ごして、
それを経てこの今を生きているんだ」
と、少し心の中の「見えなかったもの」が見えた感触も覚えました。

私もあれから2年を過ごし、今は2年の節目というだけで、
この震災とまた向き合って仕事をしています。

もちろん、この映画を観たからといって、
わかったようなふりをする訳ではないけれど、
まったく見ないよりは、こうした現実を乗り越えて今も多くの人が、
強く、明るく、毎日を過ごしていることを、
少しでも心の中にとどめられるきっかけになったと思います。

この映画を実現できたのは、原作者の石井光太さんの
被災者に寄り添い続けた取材姿勢と、
監督の君塚良一さんはじめ制作者の熱い思い、
そして岩手県釜石市の人々などの協力あってこそ、でしょう。

ロケの舞台となった高崎市倉渕や湯河原、伊東なども感謝です。

私も、、、「やるっぺし」!


「遺体 明日への10日間」
http://www.reunion-movie.jp/

こちらは、石井光太さんの原作です。
遺体―震災、津波の果てに


|

« 『ワーク・シフト』著者、リンダ・グラットン教授にお会いして…(いち30代の記録) | Main | 小田原城の梅満開♪&寄り道グルメ話(2013年2月23日) »

映画・テレビ」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/91857/56826951

Listed below are links to weblogs that reference 「遺体 明日への10日間」-被災地外&取材する立場から感じたこと:

» 遺体 明日への十日間 [to Heart]
2011年3月11日 あの未曾有の災害に直面し 困難な状況と向き合った人々がいた 彼らには、 悲しむ時間さえ無かった 上映時間 105分 原作 石井光太 脚本:監督 君塚良一 音楽 村松崇継 出演 西田敏行/緒形直人/勝地涼/國村隼/酒井若菜/佐藤浩市/志田未来/筒井道隆/沢村一...... [Read More]

Tracked on February 27, 2013 at 09:24 PM

» 『遺体 -明日への十日間-』 2013年2月13日 ユナイテッドシネマ豊洲 [気ままな映画生活(適当なコメントですが、よければどうぞ!)]
『遺体 -明日への十日間-』 を試写会で鑑賞しました。 遺体と死体の違い...考えてもみなかったが、胸の締めつけられる映画であった。 【ストーリー】  東日本大震災の発生直後。定年まで葬儀関係の仕事に就いていた相葉常夫(西田敏行)は、仕事柄遺体に接する機会が多かったことから、遺体安置所でボランティアとして働くことになる。一人一人の遺体に優しく話し掛ける相葉の姿を見て、膨大な遺体に当初は戸惑っていた市職員たちも、一人でも多く遺族のもとに帰してあげたいと奮闘し続ける。 震災直後から津波に襲われ死... [Read More]

Tracked on March 01, 2013 at 07:32 AM

» 遺体 明日への十日間 [映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評]
映画『遺体 明日への十日間』オリジナル・サウンドトラック [CD]震災発生後の遺体安置所での出来事を描くヒューマンドラマ「遺体 明日への十日間」。見ていてつらくなる内容だが、目 ... [Read More]

Tracked on March 01, 2013 at 09:58 AM

» 遺体 明日への十日間 ★★★☆☆ [センタのダイアリー]
石井光太のルポルタージュ「遺体 震災、津波の果てに」を原作にした映画。 東日本大震災直後の岩手県釜石市で、およそ2か月に渡って開設されていた遺体安置所を舞台としたドラマである。 大震災の直後はインフラは言うまでもなく、食糧品をはじめ、生活物資までも逼迫した状態だった。 そうした極限の状況の下で次から次へと運びこまれる遺体を確認し、家族に引き渡す作業はいかに精神的、肉体的に重労働であったかは想像に難くない。 遺体を管理するのが仕事である市職員がその扱いに戸惑う一方で、ボランティ... [Read More]

Tracked on March 02, 2013 at 08:45 AM

» 遺体 〜明日への十日間〜 [いい加減社長の映画日記]
これは、観ておいた方がいいかと思って・・・ 「オフィシャルサイト」 【ストーリー】 東日本大震災発生後、混乱状況の中、数多くの遺体が発見され、遺体安置所に運び込まれることになった。 次々と運び込まれてくる多くの遺体に戸惑う警察関係者や市職員たち。 そして...... [Read More]

Tracked on March 03, 2013 at 06:38 PM

« 『ワーク・シフト』著者、リンダ・グラットン教授にお会いして…(いち30代の記録) | Main | 小田原城の梅満開♪&寄り道グルメ話(2013年2月23日) »