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映画『KANO』観賞―甲子園で準優勝した台湾代表の物語(2014年3月の話)

4年ぶりに訪れた台湾。

偶然上映中だった、話題の映画『KANO』を鑑賞。
公開から1ヵ月経っていたけど、まだまだ上映中でした。
台北は移動が便利なので、これなら
どこの映画館でもちょっと空いた隙に見に行けそうです。

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(台湾の新聞は、日本のテレビ欄の場所?に映画情報)

『KANO』は台湾中部・嘉義市にあった「嘉義農林学校」の略称。
日本統治下の1931年、台湾代表として夏の甲子園に出場し、
準優勝したという実話をもとに描かれました。2月末に公開、2週間で
興行収入1億5000万台湾ドル(約5億円)超えの快進撃を続けています。

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選んだ台北101の近くのシネマコンプレックス(信義威秀電影院)では、
1時間ごとに上映されていて、気軽に観にいけそう。
でも、実際に油断して上映20分前に到着してみると、
チケット売り場に長い行列が出来ていて焦りました(汗)。
結果行列さばきが速くて間に合いました…素晴らしい!
値段は320台湾ドル(1100円)ジュース付きで375ドルでした。

公開から1ヵ月以上経っているのに、場内は満員。
映画は3時間05分という長編にも関わらず、
ところどころに笑いを入れ、
また甲子園への快進撃を続ける辺りからラストは
そのプレイに引き込まれ、飽きさせない作品になっていました。

そのうち、日本語が70%ほどと圧倒的に日本映画っぽく、
「台湾の子達に受け入れられるかな…」と心配でしたが、それも杞憂。
笑いのシーンでは爆笑が起こり(日本にはない賑やかさ!)、
逆に日本語+中国語字幕なので、台湾の子たちの方が、
字幕を見て先に笑い出し、セリフを素直に聞いていた
日本人が後について笑う…という流れ?になっていました。

台湾の人達も満足して映画を楽しんでいたし、
日本人の私も感動と楽しさを覚える映画でした。
この作品にチャレンジした馬監督と魏プロデューサー、
スタッフやキャストの皆さんに脱帽です。

以下、個人的な感想と疑問です。

映画の中には、戦争と野球が交互に出てきます。
途中、台湾の出兵シーンで、昨年魏徳聖氏が監督を務めた
『セデック・バレ』のセデック族が日本軍として並んでいる。
これには、魏氏のこだわりが滲みでていると感じました。

冒頭の入場行進では、当時の甲子園の出場校に
台湾代表・嘉義農林のほか、満洲代表・大連商業 、
朝鮮代表・京城商業
といった名前も見られますが、
これらのチームには、現地の人たちはいなかったのか。

群馬代表が桐生中学(現・桐生高校)で、
未だにこの高校は群馬県最多甲子園出場回数を誇るのに、
ここ"数十年"御無沙汰になっているので、
実際に甲子園を歩く桐生中学に「ほろっ」と来るものがありました。

甲子園のシーンでは、決勝の中京商業よりも、
2回戦であたった北海道代表の札幌商業との対戦と
そのエース・錠者博美のシーンが多く描かれています。
「最北と最南のチームが甲子園で…」という実況に、
「僻地から中央へ」というメッセージが鮮明になると同時に、
「中央を倒せ!どっちも頑張れ!」という気持ちになります。

でも、試合結果やエース・錠者博美の存在は実話と聞くけど、
その錠者氏が数年後出兵し、偶然台湾の地に足を運び、
嘉義農林の練習グラウンドを訪れた話は本当なのか、
と、映画と実際の話が上手に混在する演出に引き込まれました。

そういう訳で、気になるところも含め余韻を残す映画でした。

統治時代の話なので、素直に「日台交流」という言葉では
言いあらわせられないと躊躇しましたが、
一方で、80年以上を経た今、かつて本当の近藤監督に
教わった選手の方
がご存命で、日本語を使いながら、
近藤監督の故郷・松山の関係者と繋がっているという話も聞き、
そこには「交流」が生まれているという表現がいいのかもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=5G3_ii6nB8k

日本では、なんと来年2015年まで公開されないとのこと
うーん、待ち遠しすぎる!!
(だから、台湾で時間を割いてまで観に行ったのですが)

エンディングで流れた「風になって」も、
1曲の中に日本語と中国語が混じった素晴らしい出来。
「海角7号」にも出演し、日中交流イベントにも登場される
中孝介(あたり・こうすけ)さんが歌っています。
帰り道に見つけたCDショップで、思わず買ってしまいました。
429台湾ドル(1475円)…映画代より高かった。

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【ストーリー】
日本人、台湾人、原住民による嘉義農林野球部が、
新任監督の近藤兵太郎を迎え、スパルタ式訓練で
「甲子園進出」を目指すことになった。
のんびりしたチームだった嘉農野球部は、近藤の
鬼のような特訓を1年間受け、甲子園出場の夢を抱く。
そしてついに1931年、台湾予選大会で連勝を続け、
日本人のみの常勝チーム・台北商業を打ち負かして、
南部の学校で初めて台湾代表大会に優勝。
台湾の代表チームとして、日本への遠征へと赴く。

甲子園では、嘉義農林チームの1球たりとも諦めない
感動的なプレイが5万5千人の大観衆の心を掴む。
そして迎えた決勝戦の舞台では、嘉義農林チームに、
熱い声援「戦場の英雄…天下の嘉農…」が送られる。

【スタッフ】
プロデューサー・脚本/魏徳聖(ウェイ・ダーシェン)
1968年8月16日生まれ。2008年に監督デビューした
『海角七号〜君想う国境の南』は台湾映画史上記録的な
興行収入を上げ、社会現象も巻き起こす。
2011年に、日本統治時代の台湾で起きた霧社事件が題材の
『賽德克・巴萊(セデック・バレ)』で、金馬獎作品賞に輝く。
日本でも2013年に公開。

監督/馬志翔(マー・ジーシャン)
1978年生まれ。2000年にテレビドラマで俳優デビュー、
2001年『鹹豆漿』でスクリーンデビュー、
『賽德克・巴萊(セデック・バレ)』(11)にも出演。
『KANO』は劇場用映画の初監督作品。

【キャスト】
永瀬正敏:近藤兵太郎 役
嘉義農林高校野球部監督、弱小チームをスパルタ特訓。
悲願の甲子園出場を果たし、準優勝へ導く。

大沢たかお:八田與一 役
巨大ダム(烏山頭ダム)の建設で台湾一の穀倉地帯に変え、
農業水利事業に大きな貢献を果たした。

【予告映像】

http://www.youtube.com/watch?v=PvBvkp-r4C4

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