『老北京の胡同(フートン)』-胡同“愛”たっぷりの一冊!
『老北京の胡同: 開発と喪失、ささやかな抵抗の記録』を読了。
面白くて、一気に読んでしまいました。
一言で言えば、著者で北京・胡同に暮らす多田麻美さんの、
胡同“愛”がたっぷり詰まった、真骨頂ともいえる一冊です。
北京市内の、伝統的な民家の建ち並ぶ細い路地・胡同。
自らの胡同暮らしの経験談と共に描く胡同暮らしの人達との交流。
路地で見かける食・趣味・置物ひとつとっても詳しく、
胡同の名前の由来や、それにまつわる言い伝えや物語まで紹介。
そして近代化と共に進む開発で次々と壊されていく胡同と、
抵抗・保存の声を挙げる人達の攻防が絡み合って描かれる歴史…。
廃墟となった胡同すら「美しい」と表現する。
胡同をめぐってこんなに深堀りできるなんて…
多田さんはおそらく、
世界でただ一人の「日本人・胡同ジャーナリスト」でしょう。
いや、本当に、この本の世界に引き込まれました。
私も北京に住んでいた時はこの胡同をぷらぷら歩いて、
古き良き北京(老北京)を楽しんでいたものですが、
この本を読んだら、また北京に行って胡同を歩きたくなりました。
昔歩いた、あの胡同、この胡同、まだ壊されていなければいいけど…。
(前海~后海周辺の胡同、ちょっと崩されていた所も…:2006年)。
と、思ってこのブログを辿ってみると、結構私も胡同について書いていますね…(^^;
一部、過去記事をご紹介。胡同のころ、色々調べて考えていたんだな…
■2006年8月12日 「胡同について考えたりする」
“お客さん”の質問も、結構学習のチャンスになるんですね…。
http://koma.cocolog-nifty.com/emmy/2006/08/post_3974.html
■2006年9月3日 「胡同の中にある雑貨屋さん『Zakka』を訪問」
今はなき胡同の雑貨屋さん、可愛かったな…
http://koma.cocolog-nifty.com/emmy/2006/09/post_1fbb.html
■2008年1月7日 「北京市内の「穴場」グルメ-胡同の北京ダック」
北京暮らしを始めた05年に行って以来のファン。まだあればいいけど…
http://koma.cocolog-nifty.com/emmy/2008/01/post_047c.html
■2009年4月7日 「変わり行く胡同の街「南鑼鼓巷」in北京」
こちらも今はなき「ARUYO」、この胡同は変化が激しいです
http://koma.cocolog-nifty.com/emmy/2009/04/in-b05b.html
■2010年4月29日 「北京風"隠れ家胡同"レストラン「滇客滇来」で雲南料理」
さっきググってみたら、まだ繁盛しているようでした(2015年)
http://koma.cocolog-nifty.com/emmy/2010/04/post-f5d2.html