『老北京の胡同(フートン)』-胡同“愛”たっぷりの一冊!

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老北京の胡同: 開発と喪失、ささやかな抵抗の記録を読了。
面白くて、一気に読んでしまいました。

一言で言えば、著者で北京・胡同に暮らす多田麻美さんの、
胡同“愛”がたっぷり詰まった、真骨頂ともいえる一冊です。

北京市内の、伝統的な民家の建ち並ぶ細い路地・胡同。
自らの胡同暮らしの経験談と共に描く胡同暮らしの人達との交流。
路地で見かける食・趣味・置物ひとつとっても詳しく、
胡同の名前の由来や、それにまつわる言い伝えや物語まで紹介。

そして近代化と共に進む開発で次々と壊されていく胡同と、
抵抗・保存の声を挙げる人達の攻防が絡み合って描かれる歴史…。

廃墟となった胡同すら「美しい」と表現する。

胡同をめぐってこんなに深堀りできるなんて…
多田さんはおそらく、
世界でただ一人の「日本人・胡同ジャーナリスト」でしょう。

いや、本当に、この本の世界に引き込まれました。

私も北京に住んでいた時はこの胡同をぷらぷら歩いて、
古き良き北京(老北京)を楽しんでいたものですが、
この本を読んだら、また北京に行って胡同を歩きたくなりました。

昔歩いた、あの胡同、この胡同、まだ壊されていなければいいけど…。

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(前海~后海周辺の胡同、ちょっと崩されていた所も…:2006年)。

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と、思ってこのブログを辿ってみると、結構私も胡同について書いていますね…(^^;
一部、過去記事をご紹介。胡同のころ、色々調べて考えていたんだな…

■2006年8月12日 「胡同について考えたりする」
“お客さん”の質問も、結構学習のチャンスになるんですね…。
http://koma.cocolog-nifty.com/emmy/2006/08/post_3974.html

■2006年9月3日 「胡同の中にある雑貨屋さん『Zakka』を訪問」
今はなき胡同の雑貨屋さん、可愛かったな…
http://koma.cocolog-nifty.com/emmy/2006/09/post_1fbb.html

■2008年1月7日 「北京市内の「穴場」グルメ-胡同の北京ダック」
北京暮らしを始めた05年に行って以来のファン。まだあればいいけど…
http://koma.cocolog-nifty.com/emmy/2008/01/post_047c.html

■2009年4月7日 「変わり行く胡同の街「南鑼鼓巷」in北京」
こちらも今はなき「ARUYO」、この胡同は変化が激しいです
http://koma.cocolog-nifty.com/emmy/2009/04/in-b05b.html

■2010年4月29日 「北京風"隠れ家胡同"レストラン「滇客滇来」で雲南料理」
さっきググってみたら、まだ繁盛しているようでした(2015年)
http://koma.cocolog-nifty.com/emmy/2010/04/post-f5d2.html

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『テレビに映る中国の97%は嘘である』取材を通した中国の深層が面白い!


テレビに映る中国の97%は嘘である (講談社プラスアルファ新書)

北京時代にお世話になったテレビ東京・小林史憲元特派員の新著
テレビに映る中国の97%は嘘である

ご本人を知っていることもあって文面から情景が浮かんでしまい、
読んではついついのめり込み…一気に読了しました。

中国の当局による取材中の拘束回数21回!?それでも凹まず、
拘束された場所へまた戻って取材を続けるというタフさに敬服!

camera pencil movie karaoke camera pencil movie karaoke camera pencil movie karaoke

余談ですが…

私も拘束されたことはありますが、その時は、警察で取り締まられた恐怖に、
二度とそこへ戻りたくなくなるくらい凹んだものです…。
(拘束される時は大抵1人だったので、心細さも加わって…でしたが)。

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※ちなみに、私が拘束された1つは、四川大地震の被災地。
瓦礫が残っている所を撮った後、帰ろうとしたら
ふいに大柄の私服のおっさん6人くらいに囲まれた。
オオカミと羊の気分でめちゃくちゃ怖かった…(言いすぎ?)。

拘束は「されるだろうな~」と思う時に来ると痛くないのですが、
「されないだろう」と思っている時に来るとめちゃくちゃ痛いです。

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その分、小林さんはじめテレビ東京の取材チームが、
そんな恐怖の拘束にも負けず果敢に中国に挑んだ6つの話題は、
日本人にとって興味深かった話を色々と浮き彫りにしてくれました。

反日デモ、超金持ち農村、ニセモノ・賄賂問題、
チベット問題、毒ギョーザ事件、北朝鮮との国境…

著書は、日本で関心高い話題に加え、
中国社会の内実に迫った話も、取材体験を交え詳細に綴っています。

まずは助走となる第1章から、
反日デモ報道のエピソードで笑いと共感を与えてくれます。
取材終わりに油断して「とんかつ食べましょう」と
日本のメディア仲間に日本語で話してしまい、
中国人のデモ隊に日本人だとばれてボコボコにされ、
現場に居合わせた日本メディアの餌食?になってしまったエピソード。

「猿も木から落ちる」ような笑いを交えてその時の臨場感を語り、
最後は尖閣問題に関する意見を挙げて〆る。その意見は私も同感。
という感じで序章から心を掴まれ、最後まで一気に読んでしまいました。

そうした6つのエピソードの中で、
私が一番印象深かったのは、毒ギョーザ事件の犯人取材でした。
中国当局が犯人を発表し、日本メディアが先を争うように実家へ。
実家の父親のインタビューを撮るために、地元紙や地方政府にも
協力を得て探し当てると…日本の某新聞に先を越されていた。

しかしこの話、根本的なところで私はまだあの犯人が、
本当に犯人なのかどうか信じ切れていない所があります。
まさに中国は嘘だらけで、当局としては事件を早く葬りたいために、
彼が冤罪・犯人として立てられた人物かもしれないからです。

結局、小林さんの話からも、確信はできませんでした。
ですが、この話で重要なのは犯人が本物かどうか、ではないんですね。

重要で興味深かったのは、
当局の発表による「犯人」と言われた人の実家まで訪れたことで、
彼が育った村が限界集落の貧困村であるという現状を見たこと。

そこに当局が発表した犯人のシナリオと合わせることで、
「中国政府はこのシナリオを立ててこの犯人を出したことで、逆に
中国社会に潜む闇を露呈してしまった」と結論が出たことでした。

「あーあ、中国墓穴掘ったな~」という思いに至ったのですが、
それは同時に、日本メディアの取材というものから、
「中国取材は何が大事か?中国取材でやるべきことは何か?」
ということを、改めて考えさせられた気がしました。

中国メディアは国家の宣伝機関で有る以上、
ここまで追求できるかどうかわかりません。

中国の報道で、何が真実かは、正直わからない。
でも、何を伝えることが大事か、を自身の意思で考え、
行動することが、日本メディアにはできるのだと思いました

どんな話題でも、連日日本のお茶の間に登場するテレビや新聞、
インターネットから、少しでも中国の話題に触れたことのある人
(ほぼ100%だと思いますが)は、この本をお薦めします。

私は渋谷駅直結の書店を入った入口で平積みになっていたので
即座に購入しました。


テレビに映る中国の97%は嘘である (講談社プラスアルファ新書)

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中国の社会派作家・閻連科さん―“日中関係いまむかし”

中国の社会問題などを深掘りした小説で著名な作家、
閻連科さんが、初めて日本を訪れました。

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閻さんは、一部中国で「発禁作家」の別名までついているほど、
中国社会に切り込んだテーマの小説を書く「物言う作家」として注目される人で、
一部では、次の中国人ノーベル文学賞受賞者になるのではないか?
とも囁かれています。

今回の来日のきっかけも、日中関係が悪化した昨年9月に、
日本の村上春樹さんが「(今の状況は)安酒の酔いに似ている」
という寄稿を見て、

「こういう時こそ、中国の作家も理性を訴えるべきだ」と、
アメリカの雑誌に寄稿をしたことでした。

『譲理性成為社会的脊梁(理性が社会のバックボーンとなる)』
http://cn.nytimes.com/opinion/20121010/c10yanlianke/(中国語)
http://dot.asahi.com/world/w-general/2012101700002.html(日本語)

この寄稿が日中双方で話題となり、今回日本で開催された
東アジア文化に関する討論会に招待され、初来日を果たしたのです。

実際にお会いすると、優しくて面白く、身近な方という印象。
別れ際には、「北京に来るときは連絡ちょうだい」と言ってくれました。

今回は、その閻さんに、仕事でインタビューをさせていただき、
今の日中関係について、今後日中はどうするべきか、
そのために閻さんはどうしていきたいか・・などを伺ってみました。

その回答から感じたのは、かつての日中関係と比べ、
今の日中関係がどうしても良好にならない理由が、
私たちが思っている以上に単純ではないということでした。
これについて、少し整理してみたいと思います。

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閻さんが、「日本」というものに触れたのは、20代だった1980年代。
文化大革命が終わり、改革開放が訪れた時に、
一夜にして世界中から様々な文学作品が入ってくるようになり、
その中でも最も早く、もっとも多くやってきたのが日本の作品だったそうです。

それは、川端康成や三島由紀夫、安部公房など、当時の社会と、
人間の生死、生きる苦悩などが鮮やかな描写で書かれていて、
閻さんは一気に引き込まれたといいます。

河南省の売血政策でエイズが蔓延した村を描いた『丁庄の夢』や、
毛沢東の有名なスローガンを不倫で風刺した『人民に奉仕する』など、
中国社会を鋭くえぐりつつも、皮肉を込めた描写でストーリー展開する
“小説”を次々発表してきた根底には、この日本文学の影響があるそうです。

しかし、

今の時代、中国で売れている日本の小説はどうか?というと、
ある小説については「非常に浅くて、読みづらい」という回答。
アニメなどについても、「人間の成長過程で深みを増す時の入口には
なり得るかもしれないが、そこでとどまっていてはいけない」といいます。

また、流行や世間体に流れるまま、次から次と移りゆく若者の嗜好は、
中国で重大な政治問題(今回の日中関係の悪化など含む)が起きると、
それまでの親しみがすべて意味をなさなくなる、と釘を刺しました。

要は、そのものの良さを心から理解しないままに、
ちょっと親しんだだけでは、何かあった時に脆く崩れてしまうのです。

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こうした、文学を通じて心の真髄に迫った指摘をされた閻さんですが、
同時に私がふと気になったのは、
「80年代の日中関係が、今のように変化してしまったのは、
他にも背景があるはずだ。それは何だろう」
ということでした。

そこで、今回のことをきっかけに、
中国人の知り合いや、中国語学校の先生・同学などに色々聞いてみました。

定番は、
「90年代に江沢民が始めた“愛国主義教育”が“反日”の内容だった」、
という見方。

この時代に学校で勉強していた私と同年代の人たちや今の10代・20代は、
学校で徹底的に「反日」を叩き込まれ、成人後も消すことができません。

しかし、この“愛国主義”が始まった背景には、実は80年代の中国社会に
伏線があり、その反動だと、一部の中国の人たちは考えています。

80年代に改革開放が訪れ、海外のことに触れる機会が一気に増えます。
特に日本に至っては、家電製品が当時の中国人の心を捉え、
経済発展で家電が普及すると、人々は喜んで日本製品を買ったそうです。

そうなると同時に、人々が中国という国の閉鎖性と海外への憧れを覚え、
民主化を進めようとします。その結末が、89年の天安門事件でした。

「あのような、国を転覆させるようなことは2度と起きてはならない」と、
締めつけを行った江沢民政権は、“愛国主義”を徹底したといいます。
その後の変遷は、上述のとおり・・・結果、若い人たちを中心に、
「日本は怖いもの、嫌なものだ」という「敵」になってしまったのです。

しかし、80年代の話は、それから30年が経った今、
別の意味でも、大きく変化しています。

それは、中国人の、日本そのものへの受け止め方の変化です。
日本の家電は中国や世界で地位を落とし、韓国製品などに抜かれました。
文学は、かつてのような作家よりも、ステータスや流行の質を持ったものが
人気となり、日本への憧れや崇拝はそもそもなくなってしまったのです。

更には、日中の交流が30年前よりも増えたこと。中国には
日系企業が2万社を超え、中国には10万以上の日本人が住んでいます。

一部中国人に聞いたところ、
「日系企業の駐在員は、昼ご飯も休日も日本人同士で固まって、
中国人スタッフと交わろうとせず、夜はまっすぐ家に帰らず
お姉ちゃんの飲み屋でハメを外してるから、嫌だ」と言います。

私も、上海に行った時、日本人が多い地域で、
飲んで騒ぐ日本人の集団と、遠巻きに白い目で見ている中国人を
目の当たりにしたことを思い出しました・・・
ちょうどその頃、日本人留学生が飲んで騒いで、
静かに寝ていたい中国人と衝突したニュースが出たばかりでした。

「家電と文学とテレビ」程度しか日本の情報がなかった80年代に比べ、
ネットや人との交流が増えたことで様々な情報が中国人の耳目に届き

その中には、良い情報と悪い情報が雑多になってきたのです。

一方、
中国社会そのものも、経済発展に伴って“貨幣経済”が優先され、
人間の精神面や文化を愛する心は二の次になってしまったといいます。
どんなことでも、その多くは“お金”を引き合いに出す会話が中心となり、
今の中国人にとって憧れの人は、ビル・ゲイツや稲盛和夫に変わりました。
結婚も「家・車・金」という条件が日本以上にシビアらしいです。

文学に詳しい、ある中国の知り合いからは、
「中国の社会問題は関心がなく、ビル・ゲイツや稲盛和夫の経営哲学を
学ぶような本や、村上春樹など流行の小説が買われている」
との意見も。

こうした、30年の長いスパンで変わってしまった日中双方の環境が、
日中関係を80年代に戻したくても戻せなくなった根底にあるのでしょう。
それを改善するのは、反日教育や島1つをどうこうするだけでは難しく
日頃からの心がけ
ということを、改めて感じさせられるのでした。

また、
「中国人の心底にある“恨み”を日本人はもっと理解するべきだ」
という話もありました…。

なので、今は今で、今なりの改善策を図っていくことが大事です。
日中の政治家や国民は、島1つにこだわって騒ぐのではなく、
日本人なら、中国の社会や人々について、理解をする努力を、
逆に中国人も、日本文学や映画などを通してもいいから、
日本人に少しでも歩み寄ってもらう・・・
これが両国のできることでしょうか。

そして閻さんは、作家として、
「政治家にどれだけ壊されようと(圧力かけられようと)、めげずに
ガラスの器(脆いけど強く、壊す人がいたらその人も怪我するような、
人々にとって必要な文学や発言)を作っていく」
と話していました。

比喩が素晴らしくて、感慨深かったです。

個人的に考えさせられたことが、もうひとつ。
インタビューの時に、閻さんが何度も好きな作家として挙げた「安部公房」。
実は私も大学入試の問題集でこの作品を読んだ時から好きになり、
他の作家よりも好きになって読んでいた時期がありました。
「安部公房のどこが良いのか」という意見も一致していました。

文学作品に込められた“感情”と“感動”。

それは、国籍問わずに共有できるものなんですね・・・。
と思うと、今のギクシャクした状況だって共有しているはずだし、
相手を理解し合う心や妥協点だって共有できるはずだし、
解決する道はいくらでもある気がするのだけど、と思うのです。

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シンポジウムや講演会も含めて5日間しかなかった都内滞在の間、
なんとか時間を作り、徳田秋声の『縮図』に登場した銀座を歩いて、
「明治時代の描写と違う!」と、大はしゃぎした閻さん。
今度、日本にいらっしゃるときは、もっといろんな小説の舞台にお連れします。

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閻さんが発表した小説は、
『丁庄の夢(丁庄夢)』と『人民に奉仕する(為人民服務)』が日本語で販売。
どちらも中国では事実上の「発禁処分」を受けています…。

  

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『社長は少しバカがいい』で学ぶ"日本風沈黙"のエール

 今日の「発想源」メルマガで知って、
 思わず本屋で購入してしまった1冊。

 社長という職業への20のメッセージは、部下にも、
 フリーで仕事をする人にも役に立つものばかりです。

 そして、最後に書かれていた章に魅かれました。
 このテレビCMに、こういう裏の顔があったとは…と。

 chick chick chick chick

 東日本大震災から1ヶ月という2年前の4月。まだ、
 テレビCMはAC(公共広告機構)ばかり流している中、
 エステーのCM「消臭力」は、早々と復活しました。

 でも、そのCMはこれまでの笑いを誘ったCMではなく、
 ポルトガルの少年・ミゲル君がリスボンの街をバックに
 「しょ~しゅう~りき~♪」と唄うだけ。極めてシンプル。 

 ところがこのリスボンも250年前の1755年、
 大地震に伴う津波に襲われ大惨事を被った町で、
 市民の1/3を失った悲劇を歴史に残しています。

 それでも、リスボンはちゃんと復興を遂げたのです。

 ミゲル君が歌う「消臭力」のCMには、
 リスボンから地震で亡くなった方々へ送る鎮魂と、
 日本人みんなへのエールが込められていたのです。
     
 あの時は意識していなかったし、このCMが震災直後から
 始まったものということも忘れていたけど、そんな裏話を聞くと
 やっぱり日本の「沈黙」のエールは素晴らしいものがある、
 そう、感じざるを得ないエピソードでした。

 chick chick chick chick

 エステー社長による1冊
 社長は少しバカがいい。~乱世を生き抜くリーダーの鉄則


 参考になったメルマガは、弘中勝さんの「ビジネス発想源」
 http://www.mag2.com/m/0000134134.html

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『ワーク・シフト』著者、リンダ・グラットン教授にお会いして…(いち30代の記録)

ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉

日本でビジネスマンを中心に話題となった『ワーク・シフト』 の著者で
ロンドン・ビジネススクール教授のリンダ・グラットン女史にお会いしました。

最初は、六本木のアカデミーヒルズでの講演会、
そして2回目は仕事で、インタビューをさせていただきました。

著書も「2025年の働き方はどうなる?」という視点で、
目から鱗がボロボロ~っと落ちまくるのですが、
改めてご本人の口から、著書に登場しない「日本」のことを伺うと、
著書の内容がより自分の中で咀嚼されていく感じでした。。

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驚くほどの技術革新とグローバル化、そして高齢化。
そんな未来の社会に変革が起こることを理解した上で、
「これからすべきこと」について貴重なご意見をいただきました。
※日本に置き換えた感想が「→」部分。

1.ゼネラリストよりもスペシャリストを目指す、手に職を付けるなど
→日本の企業は、会社が社員を「その会社の家族として"育てる"」
まさにゼネラリストを養成するようなものですね…

2.そんなスペシャリストが各々のスペシャルを結集させ
 世界中で「競争ではなく協力する」仕事をする。

→日本はゼネラリストが協力しあっている気がするけど、
世界と一緒に仕事をする上では、これじゃ駄目なんだろうな。

3.仕事の目的をお金や物でなく「やりがい」にする。
→最近、NPOの社会事業など「やりがい」を見出した仕事もあるけど、
実際はまだまだ給料や消費に翻弄されている気もしますね。
いや、私は社会人になった時から「やりがい」を求めてきて、
むしろお金ないから、お金増やすにはどうしたらいいかと考えていたけど…

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そして、グラットン教授。
「日本は、何を目指しているのか見えないし情報も少ないから分からない
(中国、インド、シンガポールなどはなんとなく分かるのに)」と言いつつ、
来日して、会った人達を通じて感じた日本の感想を語ってくれました。

それは、
1.暗い。40代のバリバリ・ビジネスマンが、
  「将来、どうしたらいいかわからない」と言っている。
2.英語が話せる若者が、他の国より少ない
  今のインターネット環境も、グローバル社会もそうだけど、
  共通言語である英語ができないと、世界の状況を把握できません。
3.日本の大人の女性がなぜか「可愛い」と言われたがる。
  (そういえば”美魔女”や”大人可愛い”とか、定着している)。
  イギリスで「Cute」は褒め言葉ではない。
4.長時間働きすぎる。
  メリハリつけて「よく働き、よく休む」をしないと、
  今後70代、80代まで働かなきゃいけない時に働けなくなる。

どれも耳の痛い話ばかりです。
3と4なんて併せれば、長時間働いて老化を早めている癖に
「若く見られたい」なんて、日本人、かなり謎に見たのでは…。

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でも、最後に全世代に向けて頂いたアドバイスに、
私は一番どきっとさせられ、考えさせられました。

まず、40代以上の人には、
「勉強を続けて下さい。そして、仕事に常にワクワクしてください」
20代で勉強が終わると思ったら間違いです、80代まで働くことになると
自覚した上で、時代に合わせて常に磨いてください
、ということです。

そして、30代以下の若者には、
「会社や政府の指示決定に従うのではなく、自分で決める人になりなさい」
もう子どもではなく、こうしたものと対等な関係たりうるようになれ

ということでした。

30代の自分として、まだまだ子供だなと思うことが多いです。
特に最近の仕事は、上司に翻弄されまくり、反省ばかりが残っていたので、
グラットン教授の言葉が重く感じられました。

あと、もう少し英語を話せるようになりたいです。
最近頭の中が「中国語を忘れてはいけない」ムードだったので、

外国語を話そうとすると先に脳味噌に中国語が出て来て、
「英語話そうとする→中国語が出てくる→引っ込める→英語を出そうとする」
と、他の人よりも時間のロスが発生していることを実感。

英語なら英語、中国語なら中国語、
が、びしっと出てくるようになりたいです。

「30代も勉強を続けなければ」
と、意を改めもさせられるグラットン教授の来日でした。

プレジデント社様、お世話になりました。

ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉

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『PRESENT プレゼント』坂之上洋子さんのトークって…

12月5日に発売された、
PRESENT プレゼント 世界で1番大切なことの見つけかた

この本の著者である「よーこさん」こと坂之上洋子さんの出版イベントが
12月8日、池袋リベロの上にあるコミュニティカレッジで開催され、
参加してきました。

よーこさんの書く本は、ジャンルで言えば…うまく収められません。
「よーこさんの本」というジャンルなのでしょうか(汗) しいて言えば、
「エッセイ」?「詩集」…でもないし、「啓発本」なんてものでも全然ない。

でも読んでいて、生きる上での心構えや考え方で参考になる文章が
1ページごとに簡潔にまとめられていて、すごい心にストンと落ちる、
心に良い栄養を与えてくれるような本なんです。

という訳で、私と同じ思いをもっている人がいっぱいいて、
イベント会場を訪れると、60人くらいの定員は既に満席。

前もって本を買った人に先着でチケットを配る方法で、
私は正に発売日(5日)の午前中にゲットしていたのですが、
「最後の1枚をゲットしました!」という人に(偶然隣だったので)
話を聞いたら、発売翌日(6日)の午後3時だったとか…すごすぎる人気。

1時間ほどのトークイベントは、事前のネットアンケートと、
会場の人達による質疑応答“のみ”でした。
しかし、よーこさんの回答がとにかく“ゆるく”て
相槌を打ったメディアファクトリー編集の井上かおりさんが
また、言葉の隙間を上手に埋めた突っ込みをしてくれて、
楽しくあっという間にイベントは終わってしまいました。

皆さんからの質問は、主に“人生の先輩”への“生きる考え方”に
関するものが多かったです。たとえば…(一部抜粋)

Qどうして友達が多いのですか?
Aまず、会った人に絶対しないと心がけているのは、
 「今日、顔色悪くない?」とかネガティブなことを言わないこと
 そして、相手の良い所を見つけて言うようにする。
 「そのバック可愛いね」とか、本当にそう思う良いことを探す。 

 どんなに強い人でも、良いことを言われたいし、
 そういう人に「会いたい」って思うでしょ。

Q彼氏が欲しいのですがどうすればいいですか?
A「彼氏を探す」が先にあるのではなく、
 「自分が好きなこと」をすることから行動する。
 登山でもハイキングでも…で、縁があれば
 そのうちに、好きな人に出会う。
 好きなところで好きな人に出会うのがいい。

Q毎日お忙しいと思いますが、リラックスする方法は?
A散歩。ペースを上げて早く歩く
 心拍数があがると、自然と気持ちが良くなる。

Qお勧めの本は何ですか?
A 1.『choo choo 日和 愛のマタタビ。』(メディアファクトリー)
   →すごくかわいくて、癒しになる。
 2.『祈りよ力となれ――リーマ・ボウイー自伝』(英治出版)
   →リベリアで2010年にノーベル平和賞を受賞した
    リーマ・ボウイー女史の著書。日本よりはるかに悲惨な
    内戦が続いたリベリアで、平和と女性の地位向上を
    追求し続けた女性の力強さが伝わる1冊。(私も読んでます)。
 3.『反貧困―「すべり台社会」からの脱出』(岩波新書)
   →現在の日本社会において拡大する貧困問題を
    解決するために活動する社会的ネットワーク団体の書。

Q好きな言葉は何ですか?
A ケント・M・キース氏の
『それでもなお、人を愛しなさい―人生の意味を見つけるための逆説の10カ条』
にある言葉。
 「何か良いことをすれば、隠された利己的な動機が
あるはずだと人に責められるだろう。それでもなお、良いことをしなさい」


Q フリーランスで仕事をしているが、不安定なので不安になることもある。
 どうすれば前向きになれるのか?

A 今や大企業も不安定な時代。不安定はあたりまえだし不安も当然。
 本当に、物理的に(貯金が100円しかなくなったとか)対処法を
 考えることが大事。漠然と「ただ、不安」と言ってもだめ。
 フリーランスが駄目だと思ったら、変えるなど対処をすすめます。

Q 楽しむために心がけていることは?
A 空気を変える人になれるようにする。
 みんなが「どよーん」となっている時に、
 どよーんとしたそのタイミングで「よし!」と奮起できるようにする。

 旦那さんは、その上を行く人で、参考になった話が次に出てきました
 ・・・が、ここでは長くなるので爆笑だったけど割愛。

Q どんな時に、著書の中にあるようなフレーズが思い浮かぶのですか?
A …なんとなく(苦笑) あまり、考えていない。
 しいて言えば、友達の相談を受けている時に返すアドバイスの文句が
 リアルに、反映されているかもしれない。結局あまり考えていません(汗)


著書の内容を上回る、ステキなトークイベントをありがとうございました。

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帯には、楽天の三木谷社長をはじめ多くの著名人からの寄せ書き…
ではなく「この本を誰に“プレゼントしたい?”」という問いかけとアンサー
登場された13人の皆さん、締め切り日の前日に「答えて!」と言われ、
しっかりと翌日に返してくださったそうです…すごい!

よーこさんのこれまでの著書。共通するのが、
「生き方のヒント」になることと、
「読んで、元気が出る」ということです。

  

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『ファインダー越しの3.11』写真展@ラフォーレ原宿

涙せずには見られませんでした。

4月20日~22日の3日間、ファッションの先端地・原宿表参道にある
「ラフォーレ原宿」の6階で(ここにホールがあることすら知りませんでした…)

『THE FUTURE TIMES』Gallery & Live@ラフォーレミュージアム原宿
が開催され、昨年の震災以来1年間、フォトジャーナリストの
渋谷敦志さん、佐藤慧さん、安田菜津紀さん
撮り続けてきた被災地の様子が60点余り展示されました。

その中で、佐藤慧さんはご実家が岩手県の陸前高田市。
震災による津波被害を受け、お母さんを亡くされました。
こうした辛い状況でも、「伝える」ということを続け、
シャッターを押し続けてきたそうです。
会場には、ご家族の写真も並べられていました。

1年間、定期的に訪れて展示された写真の並びを見ると、
ふとい気付いたことがあります。それは、

「ああ、日本って、どんな所にも”四季”があるんだな」ということ。

桜の写真、花火の写真、そして、雪舞う写真…。

こうして四季の移り変わりを観るだけでも、震災から1年が経ったこと、
そして、復興と共に四季が来ては去り、また来ては去り、
を繰り返していくそんな中で、「人生の輪廻」なるものを感じる訳で、
そんな日本だからこそ、「忘れない」ということを大事にする心が
あるのかな~と、中国の震災を思い出し、改めて感じるのでした。

あと、会場にこのラフォーレを選んだことは良かったと思います。
一見、震災や復興支援などと袂を分かちているような(すみません)
お洒落なファッションに身を包んだ人たちが多数来場し、
若いお洒落なお兄ちゃんが、真剣に写真を見つめて…

涙を流しているんです…。

東北から、300キロも離れ、震災のことなど忘れてしまったような
華やかな街を歩く人たちの心に、彼らのメッセージが伝わったんだ…
こう思うと、今後もぜひ、六本木とか銀座とか丸の内とか、
全国の様々な所で、写真展を続けてほしいと思わずにいられませんでした。

あわせて、昨年から各地で開催してきたアーティスト・後藤正文氏の
弾き語りイベント『THE FUTURE TIMES』も、土日の夜公演されたのですが、
チケットは既にSOLD OUT。

聞いたところ、この日写真展にはおよそ1000人、
ライブも合わせると1600人ほどの人が訪れたそうです。

多くの人が、「震災を忘れない」「繋いでいこう」という
心を持っていることを、改めて実感した写真展でした。

…詳細…

■『THE FUTURE TIMES』Gallery & Live@ラフォーレミュージアム原宿

■日時 : 4月20日(金)・21(土)・22日(日) 
<昼>ギャラリー(写真展):入場無料 <夜>LIVE & TALK:チケット制

■会場:ラフォーレミュージアム原宿
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前1-11-6 ラフォーレ原宿6F

…詳細ここまで…

今回の写真展の前に、3人の写真集が出版されていました。

『ファインダー越しの3.11』(原書房:2011年12月3日第1刷)

ここに、今回の写真展で展示された写真もありますので、
興味のある方は手に取ってみてください。

Img_57201

こちら、かつて絵ハガキになった、安田菜津紀さんの作品。
津波被害を受けた7万本の松林の中、一本だけ残った「希望の松」。
この写真についてのエピソードは、書籍の中に詳しいです。

写真展にも、飾られていました。

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『悲しきアフガンの美しき人々』出版記念講演会―"911"後の"アフガン"を考える

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10月16日。

911事件後、その後のアフガニスタンを定期的に取材し、
『悲しきアフガンの美しい人々』を出版された
白川徹さん(写真右)の講演会が、東京下北沢にある
ワールドカフェ&バー・INSTEPLIGHTで開かれ、
訪れた30人ほどの聴講者を前にアフガニスタンの現状や、
今後のアフガンの行方、取材の裏話や思いなどを伺いました。

今年の「911・10周年」報道、日本メディアは積極的に
崩壊したWTC周辺やアメリカの経済について伝えまくったけど、
アフガンの人々に関する視点は遥かに少なかったな…と思い返す私。

話の内容は重いもので、
一般市民の、貧困、病気、薬物、宗教観を無視した米軍の取り調べ…。
挙句に、先進国からの「利益にならないから援助打ち切る」的風潮…。
問題が慢性化し世界中の注目が薄れて行く中、

「今後、こうした風潮の中、米国軍も撤退していくかもしれない。
そうなると、再びパワーバランスが崩れて内戦が起きる可能性がある」

という危惧を伝えて、講演は締めくくられました。

本来、米軍がここに駐留するのは、ただ今の状態を維持するだけでなく、
いつか米軍が撤退しても内戦が起こらないようにする長期的な
復興計画があってこそではなかったのか…と、私は若干の違和感。
白川さん自身も米軍の話を聞く時の違和感を伝えていました。

繰り返しますが、911の時でさえアフガニスタンについての報道が
少なく、911は記憶にあってもすべてが米国視点になってしまう中、
実際に現地の人や米軍と交流し、聞いた話をありのまま
伝えてくれた白川さんの報告は、聴講者にとって非常に貴重なものでした。

・・・

今日の講演をされた白川徹さん、
後半でクロストーク(対談)をされた今井紀明さん、
司会を務めた安田菜津紀さん、
講演会を企画したのは、そろって20代半ばの若い世代。

10代のころから自身の中に「テーマ」を見つけ、
真摯に、社会の中で存在を確立するべく努力を続けている。

自分たちの意思で危険な紛争地帯へ行き取材をすることについて、
外へ出ない人たちからは、時には色々言われることもありますが、
実際に足を運んで現地の情報を伝えてくれる人たちは有難いです。

・・・

個人的に取材者としてみると、
なぜ、危険な場所とわかりながら何度もアフガニスタンへ行くのか―。
白川さんは「何か、アフガニスタンの人たちには"引力"があるから」
と話していました。その気持ちは、中国にいた私にも理解できます。

日本国内でもひとつの事件をずっと追い続けている人は
同じように、取材対象者になんらかの引力を感じながら、
そこに魅かれるものがあるから…取材を続けているのではないでしょうか。

・・・

書店にも並んでいるそうですが、AMAZONでも購入できます。
悲しきアフガンの美しい人々

司会を務められた安田菜津紀さん、クロストークをされた今井紀明さんも、
皆さん本を出されていて、海外の現状を日本に伝えています。

アジア×カメラ―「正解」のない旅へ  ぼくがイラクへ行った理由
               

・・・

自分たちのことと関係ないようにも見えますが、
ギリシャの経済危機、ユーロ安、米国の反格差デモも、
日本に関わるから伝えられているように、
アフガニスタンも、カンボジアも、イラクも、日本に影響が及びます。

確かに、それぞれの国で事件が発足した当時は、日本でもよく報道されましたが、
今でも問題はそこに横たわっていることを、こうして定期的に取材し続けている
方々が伝えてくれることは重要で、彼らの報告により、
ずっと横たわったままの問題が改善に向かってくれれば、と願っています。

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マスコミは何を伝えないか--メディア社会の賢い生き方(下村健一著) 制作者にも視聴者にもわかりやすい解説書

私がお世話になっている市民メディア「東京視点」
アドバイザーを務めてくださっている、
元・TBSキャスターの下村健一さんによる著書。

「マスコミは何を伝えないか――メディア社会の賢い生き方」

この本には、作り手としての
「事実」と「本音」がたくさん「白状」されている。

私の中で、印象に残った内容を抜粋すると・・・
著書の至る所がすべて印象に残っているのだけど、
更に絞り込んで気になった内容をいくつか挙げてみる。

まずは、

「どうやったら、相手を傷つけずにインタビューできるのか」

人物を取材するマスコミの伝え手として、
この言葉は永遠のテーマである。

事件現場、被災地、被害者、加害者の周辺住民・・・

こういう場所へ行く場合、テレビにしろ新聞にしろ、
テレビカメラやマイク、スチールカメラのフラッシュが
取材される側にとって、
ピストルを突きつけられたような感覚を覚える人もいる―。

詳細はいえないが、私も何度となく、
取材対象者を傷つけてきたと思う。

苦情を頂き、或いはその場で怒鳴られる。
そのたびに、自分の仕事が、
「社会にある問題を解決させ、暮らしやすい生活を実現したい」
という目的であることも忘れて、自責・自問させられる。

著者の下村健一さんは、20年以上もの間、
報道の世界で数々の歴史的事件を切り取ってきた人。
私の数十倍経験を積んだ下村さんでさえ、いや経験豊富だからこそ
現場で取材対象者を怒らせてきた経験も多く、
そんなエピソードが、著書には赤裸々とつづられている。

マスコミは伝えるまでの過程において、
そして伝えた後でさえ、取材対象者にとって「加害者」になり得る。

しかし、どうしてその取材が必要なのか、
どうしてそのインタビューを伝える必要があるのか、
何度も何度も自分の中で反芻しながら、理解し、
相手に理解をいただくことの繰り返しである。

・・・

そして、

「マスコミは、100パーセントを伝えない」

ということも、共感できる。
すべてを伝えようとすると、情報が視聴者に伝えきれず、
逆に印象に残らないため、要約してわかりやすい手法で
幅広い不特定多数の人に伝えなければならないからである。

そうでなければ、見る人を引き付けられないから・・・

そのために、取材対象者からはやはり、
「どうして、この部分を伝えてくれなかったんだ」
と責められることもある。責められなくても、
現場で100を知る人は不満に思うこともあるだろう。

伝えられなかった40に、言いたいことがあるのだ、と。

どこをそぎ落とすか、伝え手はかなり吟味する。
例えば今私が担当しているドキュメンタリー番組は、
30分の番組にして、2週間かけて編集する。

そんな時間的なものはいいとして・・

取材した内容の中から、どのような伝え方が最善か、
ということについて、制作側は苦心し、議論し、選別するのだ。

・・・

「相手を傷つけずに、取材から放送までを終えること」

マスコミとして、これができれば最高にうれしい。

しかし、これが永遠に悩まされるテーマであることは、
上記2点から、間違いない事実である。

・・・

永遠に追いかけるテーマであるならば、
永遠に追いかけ続ける努力はしよう。

それが、取材対象者に向けての、せめてもの罪滅ぼしとも言えるし、
それ以前に、やるべきことである。

この本に書かれていることの4分の3は、ここにある。
それは、下村さんが言うところの「修復的報道」であり、
「市民メディア」であり、「メディアリテラシー」である。

メディアというものに対して、色んな角度から問題点の
解決方法を求め、探る。こうした試みを実践する
下村さんならではの細かく解りやすい解説と、
実際に体験した人たちとの対談で興味深く読み進んでいける、

こうしたことが社会の中で追求されれば、
伝え手が気をつける部分と、受け手が気をつける部分、
それぞれも共有できて、
少しずつ、伝え手と受け手の間にある溝も埋まるのではないか。

・・・

伝え手も、苦悩しながら「伝える」という仕事に奔走していることを、
取材対象者や受け手の人々に理解していただければ、
というわがままなお願いもはらみつつ、

受け手が、どのような気持ちでカメラを向けられるか、
取材現場に立つ自分の立場をどの程度自覚できているか、
そして、取材に応じてくれる人々への感謝を忘れないように、
という気持ちは忘れないで、行きたいと思う。

これは、
伝え手にも受け手にも教科書的存在になる1冊である。

・・・


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近藤雄生さん&柴崎みゆきさんのトークセッション開催in池袋

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7月29日

東京は池袋のジュンク堂書店にて、
『遊牧夫婦』著者・近藤雄生さんと、
『古代マヤ・アステカ不可思議大全』
『マヤ・アステカ遺跡へっぴり紀行』
著者・芝崎みゆきさんのトークセッション
に行ってきました。

『遊牧夫婦』著者の近藤さんとは、
日本在住時代から参加しているビデオサークルを通じて
知り合いになったものの、初めてお会いしたのは2006年に上海で、
その後、連絡だけは頻繁に取らせていただいた私ですが、
実に、この池袋での再会は4年ぶりでした。

近藤さんは、2003年に日本を離れ、
結婚間もない奥さんと夫婦で5年間の世界放浪の旅に出発。
帰国後、この5年間のことをミシマ書店サイト『遊牧夫婦』
で、週刊連載しています。

柴崎さんは、古代文明大好き。
特に南米への造詣に深く一度旅に出ると2~3カ月と長旅に。
著書は、すべて本人のイラストで描かれています。

・・・

Img_2042

そんなお二人のトークセッションなので、
もちろんテーマは『「21世紀的放浪のやりかた」お教えします』

わはははーー、私にぴったりなテーマだ!
と、確かに中国と言う異国で出会った近藤さんのセッションなら
当然と言えば当然か・・・、と、喜び勇んで聞きました。

「21世紀的放浪の旅」

に対する言葉は何か、をまず挙げると、

「20世紀的放浪の旅」

いうなれば、沢木耕太郎さんの『深夜特急』などが、
その代名詞になるかもしれません。

余談ですが、近藤さんは旅に出る前に、沢木さんに50ページもの
自筆エッセイをつけて、2回もラブレターを送っていたそうです。

それもまた、送られる方も大変な・・・とは思えど、
その情熱があってこそ、5年の旅、そして本の出版を
実現させたのでしょうね。

さてさて、それでは「21世紀的旅」とはどういうものかというと、

・以前は、「旅人」は「旅人」以上の何者でもなかったのだが、
今では外国人も気軽にその土地に入り込んで行ける。

私もそうかもしれないけど、外国人(特に日本など先進国の人間)が
現地で仕事をし、生活することができるようになった時代、
または、ボランティア活動などにも参加できるようになった時代、

総合するに、こういう時代に旅をするスタイルは、以前よりも
より現地に溶け込みながら実現できるのではないかと、
お二人の話を聞きながら、自分のことのように実感しました。

近藤さんのお話では、今でも世界のどこかを放浪している
「ウシヤマさん」というツワモノバックパッカーもいるようです。

その方の話は・・・
旅をしていれば、いずれ、どこかで再び聞くかもしれませんね。

・・・

そして、会場からは、
「5年間、旅という「非日常」の生活をしていると、
帰国してからの日常に違和感を覚えませんか」

という質問が出ましたが、これには近藤さんが、

「旅そのものが「日常」になり、
帰国後の方が「非日常=旅」みたいな感じですね。
それがまた「新たな旅」みたいな気持ちになっています。」

とのこと。

いろんな意味で、中国帰りの私にもリンクする言葉でした。

人生、どこで何をしていようと、
常に「新しい気持ち」で、フレッシュに送り続けて行けたらいいですね。

・・・

ちなみに、

Yuboku

近藤さんの本は表紙があまりにも愛くるしいので、

「汚したくないな・・・」と、
普段は紙資源の無駄遣いを気にしてカバーをかけない私が、
あえて「カバーかけてください」とお願いしたほどです。必見!

さっそく、増刷が決まったそうです!
おめでとうございます!

そして、柴崎さんの著書も、これまたかわいい!

 

竹を割ったような彼女のトークにも、
笑わせてもらいましたが、この本にも笑いのエキスが
いっぱいこぼれていそうです。これまた必見!!


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